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兵庫県立歴史博物館「お城ができる前の姫路」、大阪市立美術館「仏像 中国・日本」鑑賞記

11月17日
兵庫県立歴史博物館
 特別展 お城ができる前の姫路
(10月5日~11月24日)

 姫路の中世史を、寺社と地域史、赤松氏と地域支配の観点から紹介する、同館の調査研究活動を集大成した展示。円教寺性空上人坐像(寛弘4年〔1007〕の可能性)、円教寺根本薬師堂伝来の舎那院薬師如来坐像、南宋・嘉煕元年(1137)造像の法恩寺菩薩坐像、正八幡神社男女神坐像、八正寺の文保2年(1318)銘)鬼面、津田天満神社の北野天神縁起絵巻(重文)のほか、中世文書を多数集めて地域史を立体的に叙述する。お目当ては大覚寺の天正17年(1589)芝琳賢筆の当麻曼荼羅図。中近世移行期の南都絵所絵師の画風をしっかりチェック。芝琳賢は天文頃と天正頃に活躍した二人がいるが、本図の旧軸木には「後之琳賢」との呼称が用いられている点は重要で、『多聞院日記』の「前ノ琳賢」〔文禄2・12・14条〕の表記(拙稿「南都絵所座の後裔」『仏教史研究』34、1998)と対になるもの。図録あり(1900円、192ページ)。

大阪市立美術館
 特別展 仏像 中国・日本-中国彫刻2000年と日本・北魏仏から遣唐使そしてマリア観音へ-
(10月12日~12月8日)

 中国の仏像様式の展開とその日本への伝播の2000年史を、請来された国内の仏像の数々を集めて紹介。北魏~唐の石仏は同館中国仏像コレクションをフル活用してその意義と重要性を自ら高める。堺市博観音菩薩立像・神福寺十一面観音立像の隋唐の檀像、観心寺聖僧坐像・善願寺僧形坐像・浅草寺僧形坐像の唐代木彫像、泉涌寺楊貴妃観音(~10/20)・清雲寺観音菩薩坐像・仁和寺観音菩薩坐像の南宋木彫像、隠元所持の泉涌寺釈迦如来坐像・萬福寺韋駄天立像・長崎奉行伝来のマリア観音像など明清・黄檗彫刻と、そのかたちの特徴とともに、真の仏像を希求し中国から請来した人々とそれを継承し続けた信仰の歴史を展示室内に浮かび上がらせる。図録あり(202ページ、2200円)。

高野山霊宝館「祈りのかたち-密教法具の世界-」鑑賞記

11月16日
 高野山霊宝館
 企画展 祈りのかたち-密教法具の世界-
(10月12日~1月13日)

 金剛峯寺はじめ山内子院に伝来した密教法具の歴史を体現する重要資料をずらり展観。唐招来品として、大ぶりで鋭利に尖った独鈷杵(金剛峯寺・重文)、四天王独鈷鈴(金剛峯寺・重文)、五大明王五鈷鈴(正智院・重文)。ほか招来品では宋代の梵釈四天王五鈷鈴(竜光院・重文)、元~明の九鈷杵・九鈷鈴(金剛峯寺)、七鈷鈴(竜光院)、近代のネパールの八鈷杵・八鈷鈴まで。伝覚鑁所持の三鈷杵(宝寿院)、伝行勝所持の三鈷杵(蓮華定院)など所持者との関わりも密教法具の場合重要。なお弘法大師所縁の一山の重宝飛行三鈷杵は今回未出陳。調伏に用いられた特殊な三角炉もさらりと展示(第二次世界大戦時に使用?)。錦秋の高野山で密教法具三昧で充実。図録なし。

【広報】松原市教育委員会文化財調査成果報告会「来迎寺の歴史と寺宝」

情報をいただきましたので、お知らせします。

松原市教育委員会文化財調査成果報告会
来迎寺の歴史と寺宝


概要
 来迎寺は松原市丹南に所在する融通念佛宗の中本山格寺院です。中世から本山を支えてきた有力な講集団である六別時の一つ十箇郷別時の辻本寺院で、江戸時代には南河内に多くの末寺を抱え、丹南藩主高木家の菩提寺でした。
 松原市文化財保護審議会委員の西田孝司氏によるこれまでの調査で、本堂棟札や山門奉納の観音経などの史料が確認され、松原市周辺への融通念仏信仰の広がりや丹南藩の実態を知るうえでの重要さが指摘されてきました(松原歴史ウォーク187,188,189,205,226,260『広報まつばら』)。
 松原市教育委員会では、文化財総合調査により、文亀2年(1502)に真言僧の行慶が関わって制作された「融通念仏縁起絵巻」などこれまで来迎寺が寺宝として守り継いできた様々な文化財を確認することができましたので、成果報告会を開催いたします。
 また、来迎寺の歴史と寺宝をより深く理解いただくため、大阪歴史博物館副館長兼学芸課長の大澤研一氏に基調報告、各分野の報告後には松原市文化財保護審議会委員の西田孝司氏に総括のコメントをいただきます。

日時:令和元年(2019)12月14日(土) 午後13:30~16:30(13:00から受付開始)
会場:まつばらテラス(輝) 3階多目的ホール
   〒580-0044 大阪府松原市田井城3丁目104番2
   近鉄南大阪線「高見ノ里駅」下車、北に徒歩約7分。「河内松原駅」下車、西に徒歩約10分
対象:80人
申込み:不要。当日先着順。
参加費:資料代100円
主催:松原市教育委員会
問合せ先:松原市教育委員会事務局文化財課
電話:072-334-1550(代表)
メール:bunkazai☆matsubara.osaka.jp(☆を@に変えて送信してください)

13:30~ 開会挨拶と要旨説明
13:35~ 基調報告「融通念佛宗の成立と六別時‐丹南来迎寺の歴史によせて‐」大澤 研一(大阪歴史博物館)
14:15~ 報告「#1 絵画」高橋 平明(元興寺文化財研究所)
14:45~ 報告「#2 彫刻」植村 拓哉(元興寺文化財研究所)
15:10~ 休憩
15:20~ 報告「#3 工芸品・石造物」角南 聡一郎(元興寺文化財研究所)
15:45~ 報告「#4 位牌・聖教」三宅 徹誠(元興寺文化財研究所)
16:10~ 総括 西田 孝司(松原市文化財保護審議会)
16:25~ 質疑応答

ホームページ:https://www.city.matsubara.lg.jp/bunka/bunkazai/1/9038.html

【広報】美浜町歴史フォーラム 「みはま、近世の交通と往来-道、旅、道標-」のお知らせ

美浜町歴史文館からフォーラムのお知らせをいただきましたので、広報します。

令和元年度美浜町歴史フォーラム
「みはま、近世の交通と往来-道、旅、道標-」


■ 日 時   令和元年12月8日(日)午前10時〜午後4時40分(開場9時)
■ 会 場   美浜町歴史文化館 第2研修室
■ 内 容   歴史学、歴史地理学、考古学、地域史などから道標や旅日記などの資料を通じて美浜町や若狭地方の近世交通を考えます。
■演題と講師
10:05〜10:40 
趣旨説明「若狭の道、旅、そして道標」美浜町教育委員会 歴史文化館 松葉竜司
10:45〜12:00 
フォーラム1「若狭の交通と地域性」福井大学教育学部教授 門井直哉
13:00〜14:15 
フォーラム2「旅の記録にみる江戸時代の若狭」滋賀大学経済学部教授 青柳周一
14:20−15:00 
フォーラム3「道しるべや道中記にみる若狭路」舞鶴市郷土資料館学芸員 小室智子
15:05−15:45 
フォーラム4「若狭と近江をつなぐ道」高島市教育委員会文化財課主監 山本晃子
15:50−16:40
座談「近世若狭の交通と往来-道、旅、道標-」 進行松葉竜司、パネリスト上記講師
■ 参加費   無料
■ 定 員   60名(事前申し込み順。定員に達し次第、受付を終了します)
■ ホームページ http://www.town.mihama.fukui.jp/www/info/detail.jsp?id=5779
■ 申込み・問い合わせ先
美浜町教育委員会 教育政策課 歴史文化館
〒919-1138 福井県三方郡美浜町河原市8-8
tel 0770-32-0027 fax 0770-32-0615
E-mail bunkazai@town.fukui-mihama.lg.jp

【広報】文化遺産国際協力コンソーシアムシンポジウム 「文化遺産の意図的な破壊-人はなぜ本を焼くのか-」

文化遺産国際協力コンソーシアムよりシンポジウムのお知らせをいただきましたので、広報します。


文化遺産国際協力コンソーシアムシンポジウム
「文化遺産の意図的な破壊―人はなぜ本を焼くのか―」
■詳細情報(コンソーシアムウェブサイト)
https://www.jcic-heritage.jp/jcicheritageinformation20191008/
■シンポジウムチラシ
https://www.jcic-heritage.jp/wp-content/uploads/2019/10/2019symposium_flyer.pdf

●開催趣旨:
 人は文字を生み出し、粘土板やパピルス、木簡や竹簡、羊皮紙や紙に記してきました。文書庫、そして図書館を造り、自分たちの記録を集め、残そうとしてきました。その一方で、それを意図的に破壊するという行為もまた、歴史的に繰り返されてきました。
 古代より行われている文化遺産の破壊行為は今なお続き、世界各地で貴重な文化遺産が失われ続けているのが現状です。単なる記録媒体としてだけでなく、集団及び個人の記憶のメタファーとしても受け継がれてきた書物、そして図書館・公文書館等は繰り返し標的とされ続けてきたのです。
 では、なぜ本を焼くのでしょうか。その目的を知り、破壊行為を未然に防ぐことはできないのでしょうか。このシンポジウムでは、歴史的に行われてきた焚書や文化遺産の「意図的な」破壊行為を振り返り、文化遺産を破壊する側の「論理」に照準を当てていきます。あくまで破壊された側からの想像にはなりますが、何を否定し、どのような効果を狙って破壊するのかを問い、社会にとっての書物、ひいては文化遺産の意義について考える機会とします。私たちは将来のために何ができるのか、どのような国際協力のあり方が必要なのかを過去の事例から学び、議論を展開する場としたいと思います。
●主 催:文化遺産国際協力コンソーシアム、文化庁
●日 時:2019(令和元)年12月1日(日)13時00分~17時00分(開場:12時30分~)
●場 所:政策研究大学院大学 想海樓ホール 東京都港区六本木7-22-1
 ※当日は南門よりお入りください。
●参加費:無料
●定 員:300名
●後 援:外務省、国際協力機構、国際交流基金
●プログラム:
 13:00-13:05
  開会挨拶
  岡田保良(文化遺産国際協力コンソーシアム副会長/国士舘大学イラク古代文化研究所 教授)
 13:05-13:25
  趣旨説明
  山内和也(文化遺産国際協力コンソーシアム西アジア分科会長/帝京大学文化財研究所 教授)
 13:25-14:00
  講演1「秦始皇帝の焚書坑儒の真相」
  鶴間和幸(学習院大学文学部 教授)
 14:00-14:35
  講演2「エジプトにおける文字記録の抹殺とアレクサンドリア大図書館の焼失」
  近藤二郎(早稲田大学文学部 教授)
 14:35-14:45 
  休憩
 14:45-15:20
  講演3「ユーゴ内戦時の文化遺産の破壊―サラエヴォ図書館、コソボの教会堂などを例として―」
  鐸木道剛(東北学院大学文学部 教授)
 15:20-15:55
  講演4「テロと古文書と誇り―マリ北部トンブクトゥにおける事例から―」
  伊藤未来(西南学院大学国際文化学部 講師)
 15:55-16:05 
  休憩
 16:05-16:55
  パネルディスカッション「破壊の論理と文化遺産保護」
  ファシリテーター:中村雄祐(東京大学大学院人文社会系研究科 教授)
  パネリスト:鶴間和幸、近藤二郎、鐸木道剛、伊東未来
 16:55-17:00
  閉会挨拶
  青木繁夫(文化遺産国際協力コンソーシアム副会長/東京文化財研究所 名誉研究員)
 17:10- 
  懇談会(事前申込・会費制 一般3,000円/学生2,000円)
●申込方法:
 コンソーシアムウェブサイトの申込フォームよりお申込みください。申込み締め切りは11月27日(水)です。https://www.jcic-heritage.jp/eventform/
 ※ハガキ・FAXでの申込も可。氏名(ふりがな)・ご所属・電話番号・メールアドレス・会員/非会員・懇談会出欠をご記入の上、「コンソーシアムシンポジウム参加希望」とお書き頂き、11月27日(水)必着で事務局宛にお送りください。
※お席に余裕がある場合は当日参加も受け付けております。
●お問合せ先:文化遺産国際協力コンソーシアム事務局
       独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所 所内
       Tel: 03-3823-4841
       Fax: 03-3823-4027
       E-mail:consortium@tobunken.go.jp

奈良国立博物館「御即位記念 第71回 正倉院展」鑑賞記

11月11日
奈良国立博物館
 御即位記念 第71回 正倉院展
(10月26日~11月14日)

 吉例正倉院展。国家珍宝帳筆頭の七條刺納樹皮色袈裟、次項の赤漆文欟木御厨子を始め、礼服御冠残欠、衲御礼履など聖武天皇着用品や、鳥下立女屏風六扇、乙亥年(唐開元23年〔735〕)製の金銀平文琴、紫檀金鈿柄香炉など豪華な資料とともに、州浜と山形を表す仮山残欠や袈裟付木蘭染羅衣など、作り物や僧衣の稀少な残存事例も紹介。お目当ては伎楽面師子。大仏開眼供養が行われた天平勝宝4年(752)に基永師により作られたことを示す墨書銘あり。躍動感ある造形の最古の獅子頭を、復元品で当初表現を補完しつつ鑑賞。なお仏像館では同じく基永師が同年に製作した伎楽面酔胡従(東大寺蔵)を展示中。図録あり(144ページ、1300円)。概説「正倉院宝物の成立」(執筆内藤栄)では大仏への宝物・薬物献納自体に生前の聖武による成道のための持戒・喜捨の意思が反映しているとする説得力ある新論提示。

【広報】京都府立山城郷土資料館特別展「光秀と幽斎~花開く武将文化~」【広報】

京都府立山城郷土資料館で開催中の特別展「光秀と幽斎~花開く武将文化~」について、ご担当者様からご案内をいただきましたので、紹介します。

京都府立山城郷土資料館で、特別展「光秀と幽斎~花開く武将文化~」(10/26~12/15)を開催中です。
明智光秀と細川幽斎の文化人としての側面にスポットをあて、和歌・連歌・古典文学・能楽・茶の湯・砲術など新出のものも含む多様な資料を通じて、ふたりの人となりとこの時代の文化について掘り下げた特別展です。
(前期10/26~11/17、後期11/19~12/15で大幅な展示替えがあります。チラシは下記HPでご覧ください。)
http://www.kyoto-be.ne.jp/yamasiro-m/cms/?page_id=73

報道では、共同通信が10月25日付けで、細川幽斎と里村紹巴が評点を付した新出の連歌資料について全国配信しましたが、当館で展示されているという情報は欠けていました。
https://this.kiji.is/560410208457458785
京都新聞では地域版(広域版)で掲載しネットでも配信。こちらは特別展についての言及もあります。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/53591
この新出の橋本家文書ですが、報道で扱われた細川幽斎・紹巴両評点百韻連歌は前期(11/17まで)の展示、後期(11/19~12/15)では、勝龍寺城の「天主」において里村紹巴と細川藤孝が両吟連歌を興行したと明記された紹巴書状が末尾にある紹巴評点連歌資料を初公開します。
本資料は6月6日付けで年次を欠きますが、元亀4年(1573)と推定され、周知の天正2年(1574)6月に「勝龍寺城殿主」で藤孝が三条西実枝から古今伝授されたと記す京都御所東山御文庫記録の記事より1年早く、文字どおり勝龍寺城天主の初見であり、「文化的な場」としての「天主」の機能を考える上でも重要です。

なお、図録は60頁、全カラー、掲載史料釈文付き、600円です。
郵送も受け付けていますので、送料等詳細は電話でお問い合わせの上、お申し込みください。
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京都府立山城郷土資料館(ふるさとミュージアム山城)
Tel 0774-86-5199
Fax 0774-86-5589
〒619-0204 京都府木津川市山城町上狛千両岩
https://www.kyoto-be.ne.jp/yamasiro-m/
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長野市立博物館「神と仏が宿る里」、諏訪市博物館「佛法紹隆寺」、飯田市美術博物館「光明寺の文化財」鑑賞記

11月6日
長野市立博物館
 特別展示 神と仏が宿る里-北信濃の山寺-
(9月14日~11月17日)

 長野県北部の山寺(山岳寺院)に着眼し、その信仰の場のあり方を伝来する仏像・神像から浮かび上がらせる。小県郡山家の山寺として実相院の馬頭観音坐像は馬頭をいただき瞋怒相としない作例。平安時代まで遡りそう。同寺の十一面観音立像は山家神社神宮寺旧蔵の像。筑摩郡麻積の山寺として岩殿寺の男神立像3軀のうち2軀はもと岩殿山山頂の三所権現安置像。浄衣・折烏帽子を付けた神官の姿は山の神の一つの現れ方で、眦の切れ上がった風貌は現実感があり、ガラスを挟んでしばし見つめ合う。福満寺賓頭盧尊者坐像は、背面に応保元年(1161)の刻銘あり。作風も平安後期で造像銘とみられる。高井郡小菅の山寺では小菅神社の馬頭観音坐像。朽損も激しいが平安後期の作。元小菅山元隆寺本堂「賀耶吉利堂」本尊。図録あり(116ページ、700円)。

諏訪市博物館
 企画展 佛法紹隆寺-諏訪の真言道場 古刹の歴史-
(9月14日~11月24日)
 
 諏訪市の佛法紹隆寺に伝わる仏像・仏画・聖教類を紹介。普賢菩薩騎象像(長野県宝・南北朝時代)はもと諏訪神社上社神宮寺の如法院伝来。細密な光背も当初。伝法灌頂次第は徳治3年(1308)三宝院権僧正が室生寺で書写し、のち紀州福寿院舜乗房から遠州大山寺明王院に伝来。ほか秘密灌頂道具一式のほか、南北朝時代の沙石集、鎌倉時代の釈迦十六善神像(長野県宝)など。リーフレットあり。

諏訪大社上社宝物殿
 上社参拝して宝物殿立ち寄り。かつての信仰対象である法華経を納めた鉄宝塔が拝殿先の区画に描かれている諏訪大社上社古図や諏訪大社上社文書のほか、室町時代と江戸時代の狛犬2対。もと御宝殿内の神輿周囲の四隅に安置とのこと。

飯田市美術博物館
 トピック展示 光明寺の文化財
(10月29日~2月11日)

 飯田市久米の光明寺伝来の仏教美術を紹介。保延6年(1140)在銘の薬師如来坐像をじっくり鑑賞。銘記写真のパネルもあって有益。鎌倉時代の千手観音懸仏は鏡板を失うが大ぶりで優れた出来映え。ほか江戸時代の十二神将立像、仏涅槃図など。

鳩ヶ嶺八幡宮
 帰りに立ち寄り。社殿内に安置される主祭神の誉田別尊坐像(重要文化財)は像内銘に建治3年(1277)造像始、弘安11年(1288)完成。なぜ12年もかかったのだろう。

福井県立歴史博物館「ふくいの鎮守さま」鑑賞記

11月5日
福井県立歴史博物館
 特別展 ふくいの鎮守さま-神と真宗道場が織りなす信仰世界-
(10月26日~11月24日)

 鎮守の場を規定し構築する信仰の所産を、主に福井県内の神社伝来の神像・本地仏等を集約して紹介。核となる坂井市大湊神社の神像群は、10世紀の雄偉な伊邪奈岐命坐像や男神坐像や、珍しい猿面の男女神坐像(鎌倉)、鎌倉時代の秀麗な女神坐像など多様。また越前町八坂神社からは、著名な十一面を頂く女神坐像のほか、多種多様な男女神像や翁面断片、陵王面、獅子頭断片(鎌倉)、中世の小さな獅子頭(室町)、随分古様で大ぶりな獅子狛犬(鎌倉)など、重要な資料群が出陳。福井市八幡神社の平安時代後期の阿弥陀如来坐像や大日如来坐像などは、現在も古拝殿内に安置される。祈りの場の歴史的推移を復元的に考える上では、こうしたモノ資料のもつ豊饒な情報が極めて重要な手がかりとなることを、体現するような展示。図録あり(124ページ、1200円)。

能生白山神社
 福井から、石川・富山を横断し、立山に見守られながら新潟へ。新潟県糸魚川市能生の能生白山神社訪問。永正12年(1515)建立の本殿は修理中。能生の舞楽(重要無形民俗文化財)では、振舞、候礼、童羅利、地久、能抜頭、泰平楽、納曽利、弓法楽、児抜頭、輪歌、陵王、獅子舞の12曲が、中世の舞楽面とともに伝わる。平安後期の観音立像(重文)ほか神仏習合資料も伝来し、境内に収蔵庫兼展示施設あり(事前予約必要)。

国立民族学博物館「驚異と怪異-想像界の生きものたち-」鑑賞記

11月4日
国立民族学博物館
 特別展 驚異と怪異-想像界の生きものたち-
(8月29日~11月26日)

 シンポジウム「日本におけるユニバーサル・ミュージアムの現状と課題」の合間に急ぎ観覧。人魚や怪鳥、霊獣など世界の怪異表現を集約。中でもライデン国立民族学博物館収蔵品や大阪瑞龍寺などの河童や人魚、龍などの日本の作り物ミイラを多数集めて壮観。聖俗の交わる境界の神秘の光景が、「見る」「見られる」に対置されていく怪異の位相の変化を体感する。展覧会内容は書籍化される(240ページ、2700円)。

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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