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奈良博、神戸市博ほか展覧会鑑賞記録

2月22日奈良国立博物館 特別陳列 お水取り(2月6日~3月14日) 東大寺二月堂修二会の時期にあわせた恒例のお水取り展。天文14年(1545)制作の二月堂縁起2巻を長めに展示。東大寺の勧進に用いられたとみられる絵画資料で、図録には上下巻全紙を図版紹介する。ほか、二月堂修中料理板(文化18年〔1813〕)や参籠宿所の堂司宿所にに掛ける掛板(江戸時代)、二月堂牛玉関連資料(江戸時代)など、美術資料だけでなく、修二会...

歴史に憩う橿原市博物館「顔、カオ、かお」、橿考研附属博物館「人物埴輪創生期」

歴史に憩う橿原市博物館 企画展 顔、カオ、かお-顔面表現の考古学-(10月10日~11月29日) 顔が表現された考古資料を集める。桜井市大福遺跡出土の仮面状木製品は、全体の3分の1を残す板に片方の眼と紐穴があり、下方の欠損部分を口の輪郭の一部と見なされている。上部の縁を削る加工痕があり、やはり鋤等の転用か。コウヤマキ製で2世紀後半。最古の木製仮面と思うけれど、表記ないのであっさりと展示。奈良市菅原東遺跡出土の...

兵庫県立歴史博物館「阪神・淡路大震災20年 災害と歴史遺産-被災文化財等レスキュー活動の20年-」鑑賞記

兵庫県立歴史博物館 阪神・淡路大震災20年 災害と歴史遺産-被災文化財等レスキュー活動の20年-(1月10日~3月15日) 阪神・淡路大震災をきっかけにクローズアップされた、被災文化財に対するレスキューの取り組みとその意義を広く周知する展示。内容は大きく2部に分かれ、前半では東北地方太平洋沖地震に伴う大津波による文化財被災の状況とレスキュー、安定化処理を、多様な被災文化財を通じて紹介(制作主体:津波により...

福岡市立博物館「九州仏」、九州歴史資料館「福岡の神仏の世界」鑑賞記

福岡市博物館 特別展 九州仏-1300年の祈りとかたち-(10月12日~11月30日) 九州に伝わる仏像(福岡35件・大分10件・佐賀9件・長崎5件・熊本12件・鹿児島5件)を広く集めて展観。冒頭に展示される大分県の天福寺奥院諸尊像、福岡県の謹念寺・観世音寺・長谷寺・浮嶽神社の諸尊像、佐賀県山崎観音堂の観音菩薩像や長崎県・対馬の法清寺観音堂諸尊像といった8~10cの木彫像群が一つの見どころ。その他、平安時代後期の兜を...

安倍文殊院、そして飛鳥資料館「向原寺蔵 金銅観音菩薩立像の限定公開」

安倍文殊院 昨日の永久寺展鑑賞で、大和盆地東縁部の平安末~鎌倉初期における奈良仏師(慶派仏師)の動向に一定の意味を持たせる研究がしたいなあと思ったので、実家の用事と片付けを終えた帰り際に、せめて快慶作騎獅文殊菩薩及脇侍像(国宝)の拝観だけでもと立ち寄る。何時見てもすばらし。東博の「日本国宝展」(10/15~12/7)には善財童子像と仏陀波利三蔵像がお出ましの由。飛鳥資料館 向原寺蔵 金銅観音菩薩立像の限定...

奈良教育大学教育資料館「文化財とレプリカ物語展-限りなくオリジナルに近づく-」鑑賞記

奈良教育大学教育資料館 文化財とレプリカ物語展-限りなくオリジナルに近づく-(8月8日~8月11日) 奈良教育大学が平成25年度に導入した3Dスキャナー、3Dプリンター、CADソフトを活用して作製した文化財レプリカを実物資料とともに展示し、あわせて同大学が教育の一環としてこれまでに行ってきた模写・模造等も公開。 実物資料は、愛知県・瀧山寺境内日吉山王社の僧形神坐像(鎌倉時代)、愛知県・普門寺の萬暦20年ある...

展覧会・文化財を見てきました(香雪美術館「仏教美術の輝き」

10月1日香雪美術館 開館40周年記念名品展第3期仏教美術編 仏教美術の輝き(9月23日~10月27日) 朝日新聞創刊者村山龍平が収集した仏教美術を展観。絵画では稚児大師像(前期)、二河白道図(後期)、毘沙門天像(前期)、聖徳太子像(後期)、法華経絵巻、稚児観音縁起絵巻といった同館を代表する重文の資料とともに、来迎者を迎えに行った阿弥陀と聖衆が浄土へと帰って行く様子を大和絵風に描いた帰来迎図(上空の僧侶三人...

展覧会・文化財を見てきました(龍谷ミュージアム「極楽へのいざない」ほか)

9月10日京都産業大学むすびわざ館2階ギャラリー 企画展 京都大原 勝林院の仏教文化と歴史(9月3日~10月20日) 天台声明の聖地、勝林院開創1000年に際して京都産業大学日本文化研究所が行った調査に基づく展示。 本尊阿弥陀如来坐像の像内調査で見つかった胎内仏3躯が展示の核。一躯は、像高49.5㎝の、平安時代後期の阿弥陀如来坐像。両脚部まで一木で木取りした、堅実な作風の像。他2躯は鎌倉時代と江戸時代の光背化仏...

読書記録(2012年8月分)

読書記録、2012年8月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。衣川仁『僧兵=祈りと暴力の力』(講談社、2010・11)「強訴というかたちで衝突しながらも、総体として国家的な宗教秩序に組みこまれ、内側からそれをサポートしていた大衆への信頼感が、少なくとも中世前期においては国家との良好な関係を維持し、体制の中で果たすべき正統宗教としての役割を保証していた。大衆全体を悪として否定してしまうことはせず、そのかわり...

玉稿拝受(「観音懴法」その成立と発展に関する一考察)

「つまり義持は天台の法華懴法(御懴法講)に代わって観音懴法を行い武家の威儀を示そうとしたのではなく、武家の新しい修懴として観音懴法の整備・修懴を進めたと考えられる。 義持は観音懴法を整備・修懴する際、相国寺を中心とした夢窓派の禅僧とその寺院を中心に整備・修懴をすすめさせ、月次行事を発願していた。(中略)さらに懴法は祈祷と捉えうるが、幕府の祈祷が公家の祈祷を凌駕してまで武家の威儀を示したという例は、...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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