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野洲市歴史民俗博物館企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」鑑賞記

10月16日野洲市歴史民俗博物館 企画展 近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-(10月8日~11月27日) 滋賀県立琵琶湖文化館と野洲市・守山市が連携し、琵琶湖文化館寄託品を活用して、旧野洲郡の宗教文化を紹介。鎌倉初期仏画の優品である法蔵寺如意輪観音像や、快慶風を示す西林寺の鎌倉時代前期の阿弥陀三尊像、兵頭神社護摩堂伝来の不動明王立像、応永26年(1419)施入とわかる下新川神社の和韓混交鐘、本願寺赤野...

高野山霊宝館「開館100周年記念大宝蔵展 高野山の名宝」(1期展示)鑑賞記

4月19日高野山霊宝館 開館100周年記念大宝蔵展 高野山の名宝(1期:4月17日~6月6日) 同館の開館100周年を記念して、11月28日まで会期を4つに分け、収蔵する国宝・重文のほとんどを公開。空海筆聾瞽指帰(国宝)、諸尊仏龕(国宝)、飛行三鈷杵(重文)の高野山三大秘宝をはじめ、運慶作八大童子立像(国宝)、快慶作孔雀明王坐像(重文)、大日如来坐像(西塔伝来・重文)などは通期展示。1期の目玉は阿弥陀聖衆来迎図(国宝...

浜松市美術館「みほとけのキセキ-遠州・三河の寺宝展」鑑賞記

4月18日浜松市美術館 企画展 みほとけのキセキ-遠州・三河の寺宝展-(3月25日~4月25日) 遠江6か寺、東三河の1か寺の浜名湖文化圏の寺院に伝わる仏像を紹介。猪鼻湖北の微高地に位置する摩訶耶寺千手観音立像(10c)をはじめ、普門寺の興隆期を具体的に示す12世紀の仏像群など重要文化財多数出陳。浜名湖面に隣接する舘山寺から明治4年に移された応賀寺阿弥陀如来坐像(12c)は、本来湖を含めた景観を浄土に見立てて安置され...

奈良博、神戸市博ほか展覧会鑑賞記録

2月22日奈良国立博物館 特別陳列 お水取り(2月6日~3月14日) 東大寺二月堂修二会の時期にあわせた恒例のお水取り展。天文14年(1545)制作の二月堂縁起2巻を長めに展示。東大寺の勧進に用いられたとみられる絵画資料で、図録には上下巻全紙を図版紹介する。ほか、二月堂修中料理板(文化18年〔1813〕)や参籠宿所の堂司宿所にに掛ける掛板(江戸時代)、二月堂牛玉関連資料(江戸時代)など、美術資料だけでなく、修二会...

歴史に憩う橿原市博物館「顔、カオ、かお」、橿考研附属博物館「人物埴輪創生期」

歴史に憩う橿原市博物館 企画展 顔、カオ、かお-顔面表現の考古学-(10月10日~11月29日) 顔が表現された考古資料を集める。桜井市大福遺跡出土の仮面状木製品は、全体の3分の1を残す板に片方の眼と紐穴があり、下方の欠損部分を口の輪郭の一部と見なされている。上部の縁を削る加工痕があり、やはり鋤等の転用か。コウヤマキ製で2世紀後半。最古の木製仮面と思うけれど、表記ないのであっさりと展示。奈良市菅原東遺跡出土の...

兵庫県立歴史博物館「阪神・淡路大震災20年 災害と歴史遺産-被災文化財等レスキュー活動の20年-」鑑賞記

兵庫県立歴史博物館 阪神・淡路大震災20年 災害と歴史遺産-被災文化財等レスキュー活動の20年-(1月10日~3月15日) 阪神・淡路大震災をきっかけにクローズアップされた、被災文化財に対するレスキューの取り組みとその意義を広く周知する展示。内容は大きく2部に分かれ、前半では東北地方太平洋沖地震に伴う大津波による文化財被災の状況とレスキュー、安定化処理を、多様な被災文化財を通じて紹介(制作主体:津波により...

福岡市立博物館「九州仏」、九州歴史資料館「福岡の神仏の世界」鑑賞記

福岡市博物館 特別展 九州仏-1300年の祈りとかたち-(10月12日~11月30日) 九州に伝わる仏像(福岡35件・大分10件・佐賀9件・長崎5件・熊本12件・鹿児島5件)を広く集めて展観。冒頭に展示される大分県の天福寺奥院諸尊像、福岡県の謹念寺・観世音寺・長谷寺・浮嶽神社の諸尊像、佐賀県山崎観音堂の観音菩薩像や長崎県・対馬の法清寺観音堂諸尊像といった8~10cの木彫像群が一つの見どころ。その他、平安時代後期の兜を...

安倍文殊院、そして飛鳥資料館「向原寺蔵 金銅観音菩薩立像の限定公開」

安倍文殊院 昨日の永久寺展鑑賞で、大和盆地東縁部の平安末~鎌倉初期における奈良仏師(慶派仏師)の動向に一定の意味を持たせる研究がしたいなあと思ったので、実家の用事と片付けを終えた帰り際に、せめて快慶作騎獅文殊菩薩及脇侍像(国宝)の拝観だけでもと立ち寄る。何時見てもすばらし。東博の「日本国宝展」(10/15~12/7)には善財童子像と仏陀波利三蔵像がお出ましの由。飛鳥資料館 向原寺蔵 金銅観音菩薩立像の限定...

奈良教育大学教育資料館「文化財とレプリカ物語展-限りなくオリジナルに近づく-」鑑賞記

奈良教育大学教育資料館 文化財とレプリカ物語展-限りなくオリジナルに近づく-(8月8日~8月11日) 奈良教育大学が平成25年度に導入した3Dスキャナー、3Dプリンター、CADソフトを活用して作製した文化財レプリカを実物資料とともに展示し、あわせて同大学が教育の一環としてこれまでに行ってきた模写・模造等も公開。 実物資料は、愛知県・瀧山寺境内日吉山王社の僧形神坐像(鎌倉時代)、愛知県・普門寺の萬暦20年ある...

展覧会・文化財を見てきました(香雪美術館「仏教美術の輝き」

10月1日香雪美術館 開館40周年記念名品展第3期仏教美術編 仏教美術の輝き(9月23日~10月27日) 朝日新聞創刊者村山龍平が収集した仏教美術を展観。絵画では稚児大師像(前期)、二河白道図(後期)、毘沙門天像(前期)、聖徳太子像(後期)、法華経絵巻、稚児観音縁起絵巻といった同館を代表する重文の資料とともに、来迎者を迎えに行った阿弥陀と聖衆が浄土へと帰って行く様子を大和絵風に描いた帰来迎図(上空の僧侶三人...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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