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静嘉堂@丸の内「あの世の探検−地獄の十王勢ぞろい」、東京ステーションギャラリー「春陽会誕生100年 それぞれの闘い」、高島屋史料館TOKYO 「陶の仏−近代常滑の陶彫」鑑賞記

静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内) あの世の探検−地獄の十王勢ぞろい(8月11日~9月24日) 豊富に所蔵する館蔵仏教美術の中から近時修復した仏画を中心に選んで展観する。元〜明の十王図・二使者図は、高麗時代の被帽地蔵を中幅として13幅をずらり並べる。表具は13幅とも共通し、近世段階では現在の取り合わせになっていたもよう。圧巻の空間は撮影可で、ありがたく表具のようすを一部撮影。高麗仏画ではほかに水月観音像と、雲...

高島屋史料館「万博と仏教-オリエンタリズムか、それとも祈りか?-」鑑賞記

9月9日高島屋史料館 万博と仏教-オリエンタリズムか、それとも祈りか?-(8月5日〜12月25日) 万博における仏教的要素の取り扱われ方の展開を紹介。万博や各種博覧会における日本の仏教文化紹介のあり方(オリエンタリズム)と、1970年大阪万博における仏教国のパビリオンにおける信仰要素の提示を対比し、アジア初の大阪万博で仏教表象が信仰と切り離さず提示されたこと、戦争死者への祈念があったことを指摘。ラオス館及び本...

和歌山県立博物館企画展「法燈国師−きのくに禅僧ものがたり−」鑑賞記

9月6日和歌山県立博物館 企画展 法燈国師−きのくに禅僧ものがたり− (9月2日~10月1日)  法燈国師無本覚心とその弟子たち(法燈派)の紀伊国による活動や痕跡を示す、最新の研究成果に基づく多数の新資料を含む54件の文化財を展示公開。法燈国師の展示としては50年ぶり。法燈国師像としては新出の三重・大通寺本(南北朝時代)、興国寺の慶長2年銘版木など。新資料や重要資料はパネルでも紹介。彫像では観福寺二十体羅漢像が...

岡山県立博物館「慈悲のほとけ-観音と古寺の名宝」、おのみち歴史博物館 「新指定文化財公開展-調査してみたら・すごいぞ尾道の仏様!」鑑賞記

9月3日岡山県立博物館 特別展 慈悲のほとけ-観音と古寺の名宝-(7月28日~9月3日) 最終日に滑り込み。中国観音霊場会の特別協力による展覧会で、観音信仰に関わる資料を軸に、岡山県だけでなく中国地方の仏教美術を集約し公開する。鳥取・大山寺の白鳳時代銅製観音像2躯、特徴的な髻の岡山・法界院聖観音菩薩立像、鳥取・三佛寺の十一面観音立像や蔵王権現立像、広島・浄土寺南無仏太子像、山口・般若寺聖僧坐像などなど、彫...

石川県立歴史博物館 「いしかわの霊場」、国立工芸館 「水のいろ、水のかたち」、金沢能楽美術館「面に酔う」、福井市立郷土歴史博物館「福井の里山・文殊山ゆかりの神仏」、福井県立若狭歴史博物館 「若狭・麗しの密教世界」、愛知県美術館「幻の愛知県博物館」鑑賞記

8月8日石川県立歴史博物館 特別展 いしかわの霊場-中世の祈りとみほとけ-(7月22日~9月3日) 石川県内の聖地や霊場を、仏像や古文書、考古資料など信仰に関わる資料を用いて復元的に提示。明泉寺秘仏本尊千手観音立像(10c)、石動山天平寺地蔵菩薩立像(10c).翠雲寺弥勒菩薩坐像(11c)など古様で風格のある仏像を間近に拝めるありがたさ。承元2年(1208)銘を有する志賀町高爪神社薬師如来坐像も、聖地高爪山についての情...

なら歴史芸術文化村「すごいぞ!レプリカ-文化財を未来に伝える-」、天理大学天理参考館「インドのヒンドゥー世界」鑑賞記

8月4日なら歴史芸術文化村 企画展 すごいぞ!レプリカ-文化財を未来に伝える-(7月15日~10月15日) 同館が作製・保管する文化財レプリカや模型類を軸に、文化財の維持継承や情報伝達手段などさまざまな場面で活用されるレプリカの多様な目的と可能性を紹介。奈良県立大学地域創造研究センター作製の長谷寺本尊十一面観音立像の全身計測データを元に出力された3Dプリンター製レプリカは(約30分の1ほどの縮尺)、現地では膝上...

中之島香雪美術館 「唐ものがたり 画あり遠方より来たる-香雪美術館所蔵の中国絵画-」鑑賞記

7月27日中之島香雪美術館 企画展 唐ものがたり 画あり遠方より来たる-香雪美術館所蔵の中国絵画-(6月17日~7月30日) 同館所蔵コレクションの中から、中近世の段階で日本に伝来していた唐絵(中国・朝鮮の絵画)を選んで展示するとともに、そうした唐絵に影響を受けた日本の作品をあわせて紹介。因陀羅筆維摩居士図(重文)、明・正徳8年(1513)賛ある魚籃観音図(君裾が揺れる表現あり)、伝呂紀筆花鳥図、伝除煕筆蓮池水...

大和文華館「追善の美術-亡き人を想ういとなみ-」鑑賞記

7月19日大和文華館 特別企画展 追善の美術-亡き人を想ういとなみ-(7月7日~8月13日) 亡くなった人の死後の安穏を願い行う追善供養に着目して資料を集約。館蔵の代表作である笠置曼荼羅図(重文)を追善の機能から読み解き、仏像像内に納められた印仏を多数展示。館蔵婦人像(重文)、妙蓮寺渡辺浄慶妙慶夫妻像、西教寺前田菊姫像など俗人肖像の系譜も本展文脈にこそ合致。追善の文脈構築のために死のさまざまなイメージも提...

奈良国立博物館「浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念特別展 聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-」鑑賞記

7月11日奈良国立博物館 浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成記念特別展 聖地 南山城-奈良と京都を結ぶ祈りの至宝-(7月8日~9月3日) 浄瑠璃寺九体阿弥陀の修理完成を記念して、南山城地域の寺社の仏教美術を一堂に集約して公開する。海住山寺十一面観音立像、禅定寺十一面観音立像、常念寺菩薩形立像、寿宝寺千手観音立像、神童寺不動明王立像。川合京都仏教財団所蔵の旧灯明寺仏像群、浄瑠璃寺阿弥陀如来坐像2体、西明寺薬師如来坐...

和歌山県立博物館「きのくにのかたな-和歌山県立博物館の赤羽刀」、大津市歴史博物館「大津の文化財調査中!-未指定文化財調査速報展示-」鑑賞記

7月1日和歌山県立博物館 夏休み子ども向け企画展 きのくにのかたな-和歌山県立博物館の赤羽刀-(7月1日~8月27日) 紀州の文珠鍛治と石堂鍛治、そして大和守安定ほかの刀剣を、和歌山県立博物館に収蔵された赤羽刀43口を通じて紹介。メインの解説文は極力わかりやすい内容にし、あわせて大人向け解説として刀剣鑑賞上級者向けの解説分を用意するほか、用語解説や刀剣にまつわる慣用句を紹介するなど、かたなをめぐる歴史と文...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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