今年1年を振り返って印象に残っている展覧会。奈良国立博物館 特別展「神仏習合」(4月7日?5月27日)奈良国立博物館 特別展「美麗―院政期の絵画―」(9月1日?9月30日)明石市立文化博物館 「生誕290年 木喰展―庶民の信仰・微笑仏―」(10月6日?11月4日)滋賀県立安土城考古博物館 特別展「戦国・安土桃山の造像?―神像彫刻編―」(10月13日?11月18日)神奈川県立歴史博物館 開館40周年記念特別展「宗元仏画」(10月13日...
今日で本務は仕事納め。最後まで忙しかった一年もようやく終わり。ここのところ、一年が随分長い。年明けには書き上げなければならない論文があるので、論文執筆モードに切り替えなければと思いながら、でも現実逃避で読書モードに。数日、隙間の時間(子が寝た後とか、渋滞で完全停止した車の中とか、昼休みとか)に、内田樹「私家版・ユダヤ文化論」(文春新書)、村上春樹「アンダーグラウンド」(講談社文庫)を読了。ダイナミ...
大和文華館。展示室を一周して、一番好きなのはどれかと聞くと、鎌倉時代の文殊菩薩像のところに連れて行ってくれた。わかるわかる。→観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―...
堂本印象美術館での彼のお気に入りは、《運命の始めと終り(受胎告知・刑架)》の十字架からおろされたキリストの画。家に帰ってからも図録で見ているのでした・・・。→観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―...
「…本像も大刀を突く神将として造立されたと考えられるのである。この大刀を突く神将像は、戒壇院厨子扉絵や正倉院漆金銀絵仏龕扉にみられる大刀を突く神将像と同じものであるが、北円堂像は正倉院像の方に類似性があり、本像は戒壇院像に類似性がある。」(友鳴2007・9頁)友鳴利英「大安寺四天王像序論―広目天像の形姿復元と大刀を突く神将像―」(『文化財学報』第25集、奈良大学文学部文化財学科、2007年3月)ありがとうござ...
昨日今日と県内自治体内の文化財調査にでかけ、6箇所を巡って、仏像仏画石造物絵図工芸資料建築など、ありとあらゆる資料を調査。 現場では多種多様な資料をオールマイティーに調査する能力の他に、会話をし、文化財保護の重要性を説きつつ、当該資料の固有性を伝え、あるべき未来像を所有者と共に描く「話術」も重要となります。その場に残されている資料を立体的に組み上げ、地域の歴史の一断面を叙述できれば、所有者の信頼...
文化財を守ることについての現時点でのスタンスについて、過去に書いた文章から転載します。元記事は『在家仏教』659号(2007年3月発行)に掲載されたもの。ちなみに執筆の経緯は、『在家仏教』編集ご担当者様が本家サイト「観仏三昧」をご利用下さっていたことから、ご依頼を頂いたものでした。 なぜ文化財を守る必要があるのだろうか。改まって考える機会は決して多くはないと思う。古いものだから、美しいものだから、という...
和歌山県立博物館では、企画展「国宝・古神宝の美―熊野速玉大社の神々―」を開催中です(1月14日まで)。熊野速玉大社の古神宝は、明徳元年(1390)に足利義満らによって調進されたもの。総数1000点を超える資料の中から、約160点を選んで展示しています。詳しくはHPをご参照下さい。和歌山県立博物館ウェブサイト→観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―...
展覧会開催の主たる目的を仮に「集客」とすれば、対応は難しくない。1、知名度のある素材、2、明快なテーマ、3、広報力強化の三つの要素で充分。事実、不本意ながらも入館者と歳入増加を厳しく課せられた諸館では、この「三原則」を忠実に履行することで、一定の成果を上げている。では、展覧会の主たる目的が「集客」と言い切れるケースはどのようなものがあるか。例えばデパートで開催される展覧会は、その事例と言える。集...