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読書記録(2010年1月)

備忘のための読書記録、2010年1月分。学術論文は除く。発行年月日は初版のもの。安丸良夫『近代天皇像の形成』(岩波書店、2007年10月)永井均『なぜ意識は実在しないのか』(岩波書店、2007年11月)佐藤弘夫『起請文の精神史―中世世界の神と仏―』(講談社、2006年4月) 【観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ 】-全国の展覧会や仏像の公開情報が満載!-...

拙稿紹介(20100127)

明治三十二年までに指定された全国の国宝の中に、神像はこの熊野速玉大社の神像と、その摂社だった阿須賀神社の神像(ただし戦災で焼失)しか含まれていない。神像として初めて国宝指定されたこれらの像は、日本の初期神像としての重要性とともに、国家による近代「文化財」保護の初期の状況をも、今日に伝えてくれている。(大河内2010、11頁)大河内智之「熊野速玉大社神像」(皿井舞監修『国宝の美24 彫刻8 平安中期の彫刻』...

展覧会・文化財を見てきました(2010年1月25日)

談山神社・新春特別宝物拝観(1月1日?2月28日) 橿原市での用事を済ませて、明日香村から桜井市の多武峰へ抜ける道が開通したとのことで走ってみる。この道、造り始めたのは多分30年ぐらい前。なぜこんなに時間がかかったのかと思うが、観光面ではとても便利そう。大和盆地を一望する絶景が見られる。紅葉のシーズンにはいったいどうなるだろう。特別宝物拝観では、住吉如慶筆多武峯縁起絵巻、多武峰曼荼羅(室町時代)、朱漆...

琵琶湖文化館の今後

 本ブログで、定点観測的に触れてきている琵琶湖文化館については、先に平成21年8月21日滋賀県行政経営改革委員会による「外郭団体および公の施設の見直しに関する提言」で廃館と提言されていましたが、それをもとに滋賀県が平成21年12月に策定した「外郭団体および公の施設見直し計画」が提示されていました。文化館に関する内容は以下の通り。琵琶湖文化館見直し方針 建設後半世紀経過し、収蔵庫・展示室も手狭となっています...

展覧会・文化財を見てきました(2010年1月17日)

神戸市立博物館・特別展 海の回廊―古代・中世の交流と美―(1月16日?3月7日) 阪神淡路大震災から15年目の1月17日。神戸訪問。古代?中世の海を介した文化の交流とその表象を、考古・歴史・美術の各分野に分け、特に宗教とヒト・モノの接点に比重を置いて資料選択する。仏像では孝恩寺弥勒菩薩坐像(重文、9c)、帝釈天立像(重文、9c)、寿福寺聖観音立像(9c)、光明院十一面観音立像(8?9c)といった奈良末?平安前期彫刻に多...

「締め切り」の効用

 先般より懸案の論文を締め切りぎりぎりにまとめたところ、松尾豊「なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか」に接する。といってもジョークで書かれた論文調エッセイ。笑いながら読む。とはいえ、結論の「反省すべきは「早めにやっておけば良かった」ではなく、「もっと集中すべきだった」である。」は、ホントその通りだと思う。集中できないから書けないのである。 やらねばならない仕事が幾つも林立している状態で、その総...

展覧会・文化財を見てきました(2010年1月9日)

 抱えていた締め切りぎりぎりの論文は難産の末、奇跡的な史料のつながり方をして目処がつく。気持ちの切り替えにと、早朝和歌山を出発して尾道へ車を走らせる。尾道市立美術館尾道佛教会創立130周年記念 尾道佛教美術の世界(12月5日?1月31日) 尾道市立美術館は尾道市を一望する千光寺公園に建つ。尾道市内の寺院に伝わる文化財を集める(34件)。時宗祖師像の優品である西寺一鎮上人坐像(南北朝時代、県指定)、常称寺真教...

玉稿頂戴しました(2010年1月9日)

特定の神が固定的に祀られ続けるのではないという点は重要だ。「神尾」とは一義的に神の依り代であって「時々の神の依りましとして機能するトポス(場)」と認識された山と定義できようか。(中略)本稿の成果は、馬場南遺跡発掘調査で注目された奈良時代の「神尾」の語について諸史料から読みと意味を確定し、「神尾寺」と総称すべき寺院類型の存在を析出し呈示したことにあると自任している。(伊藤2009、31頁・44頁)伊藤太「「...

学習院大学開学60周年記念特別展

学習院大学開学60周年記念特別展の情報を頂戴しましたので、お知らせいたします。 学習院大学開学60周年記念事業「知識は東アジアの海をわたった―学習院大学コレクションの世界」2010年1月26日(火)?2月1日(月)◆Site ? 丸善・丸の内本店4階ギャラリー (JR東京駅丸の内北口 徒歩1分 丸の内オアゾ内)  9:00-21:00<初日10時開場、最終日17時閉場>  ※会期中に日経セミナールーム(丸の内オアゾ内3階)にて関連セミナ...

玉稿頂戴しました(2010年1月4日)

現在の正法寺像に比定される、石清水八幡宮検校祐清造立の千仏光背を伴う丈六阿弥陀像の供養が、建暦二年三月三日に行われ、解脱房貞慶が供養導師をつとめたというエピソードには、史実の反映を認めてよいと考えられる。(中略)祐清と貞慶との間をとりもったのは、阿弥陀像の制作工房を率いる立場にあった仏師快慶であった可能性が考慮されてよい。小論が首肯されるならば、正法寺像の制作年代は、従来の理解より僅かに遡って特定...

論文書かずに凧あげる?

いい風が吹いていて、凧あげ日和。息子も娘も、すぐにコツをつかんで凧を大空に舞い上げてくれる。当方のやる気とテンションもいっしょに上げていきたいが、糸がもつれていまだ浮揚せず。 【観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ 】-全国の展覧会や仏像の公開情報が満載!-...

和歌山城

 元旦の午後、子の希望で和歌山城登城。職場のすぐ横なのに、天守閣内に入るのが随分久しぶりだったりする(中では武器・武具や古文書などを展示)。正月早々でも、案外お客さんが多い。天守から一望できる和歌山平野を新鮮な気持ちで眺める。 年明け早々には提出しなければならない原稿が全く進捗しておらず、あせりと不安で新年の晴れやかな気分にはほど遠い。なんとか心機一転、執筆にとりかかることにしましょう(といいつつ...

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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