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読書記録(2011年9月分)

備忘のための読書記録、2011年9月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。 山川均『石造物が語る中世職能集団』(山川出版社、2006年8月) 「つまり慶政は、開元寺東西宝篋印塔や南建築史博物館宝篋印塔2(本来は開元寺に所在)に日常的に接していた。開元寺東塔の造立が先述のとおり一一四五(紹興十五)年のことであり、南建築史博物館塔2は形式的にそれより新しいものとみられるので、慶政が泉州に滞在した一二一七年と...

展覧会・文化財を見てきました。(2011/9/27、増上寺三解脱門)

増上寺・戦後初の一般公開 国指定重要文化財 増上寺 三解脱門(9月17日~11月30日) 増上寺三解脱門上層に安置される、釈迦三尊及び十六羅漢像の一般公開。近年の調査で釈迦三尊のうち両脇侍の頭内に大仏師宗印・式部・弁蔵の名と過去者として宗貞の名が確認され、下御門仏師の作例と判明したもの(淺湫毅「増上寺三解脱門の釈迦三尊像および十六羅漢像について」(『学叢』30、2008)。 実見したところ、釈迦三尊の作風には宿...

展覧会文化財を見てきました。(2011/09/25、吉野山)

世尊寺 和歌山県立博物館友の会のバス研修旅行で吉野の仏像を巡る。 世尊寺は吉野郡大淀町比曽に所在し、比曽寺・吉野寺・現光寺ともいう。『日本書紀』欽明天皇14年(553)条に、海上に浮かぶ光る樟から仏像2体を作り、その像が吉野寺にあるとする。境内からは飛鳥時代(6~7世紀)の瓦が出土。奈良時代には渡来僧の神叡や道璿が入寺し、山林修行や観仏体験などをもとに自ら仏菩薩の智を得ようとする自然智宗の拠点と...

玉稿頂戴しました(「仏と盗人と落書きと」ほか)

「わが国ではこれまで、文化財防犯といえば警察や警備保障産業、防犯機器の専門業者らの主導領域と考えられてきた。筆者は文化財犯罪が急速に社会問題となりつつある今日の情勢を踏まえて、それら従来のハード面を中心にした「防犯対策」を一歩進めて、歴史学研究や文化財愛護運動とも結び付けた、新たな「文化財防犯学」の必要性を感じ、そのために史料から学ぶ防犯史研究を提唱したい。」(井上2011、52ページ)井上優「日野町正...

展覧会・文化財を見てきました(2011年9月18日、松尾大社)

松尾大社宝物館・未公開神像特別展(9月10日~9月25日) 近時の調査で新たに見出された、松尾大社の摂社・末社の神像を公開。発見された18体のうち、状態のよいもの7体を選んでの限定的な展示ではあるが、珍しい笑相の男女神像(平安後期)や、康治2(1143)年銘を有する神像としては最古の紀年銘を持つ女神像など、今後の神像研究の上で極めて重要な発見を直ちに共有できることはありがたい。摂社月読社の女神坐像(平安後期...

紹介:地震海鳴りほら津浪2011~三沢の漁業を襲った東日本大震災~

 三沢市歴史民俗資料館の企画展示「地震海鳴りほら津浪 2011~三沢の漁業を襲った東日本大震災~」の情報をご提供頂きましたので、ご紹介します。三沢市歴史民俗資料館活性化事業第1回企画展示地震海鳴りほら津浪 2011~三沢の漁業を襲った東日本大震災~1 主催 三沢市歴史民俗資料館・三沢市漁業協同組合2 共催 三沢市寺山修司記念館・テラヤマ・ワールド3 後援 デーリー東北新聞社4 期間 平成23年9月11日(日)~11月...

展覧会・文化財を見てきました(2011/09/11、吹田市博「さわる」展)

吹田市立博物館特別展 さわる-みんなで楽しむ博物館-(9月4日~10月10日) 吹田市立博物館では、2006年から2010年まで「さわる-五感の挑戦」展を開催してきた(→2010年の展示の感想)。今回はその集大成として展示の理論化と進化を進める。土器やレプリカ、民具、楽器などに自由にさわり、音を鳴らし、匂いをかいで、触覚・聴覚・嗅覚を使って資料を体験してもらい、見るだけでなくさわることを通じて利用者の中に知のつな...

那智山及び那智川流域の被害状況について

 9月8日に、台風による被害を受けた和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の那智山と那智川流域の現状を確認しました。先にツイッターで提示した内容を元に、情報共有化のため、若干の写真とともにここに提示します。 中辺路が寸断されて走れないので、紀伊半島の海岸沿いに国道42号線を走る。那智勝浦町まで全く問題なく走れる。 那智川流域の状況、あちこちに車がひっくり返り、家が壊れ、浸水し、道は崩落し、自衛隊や消防等による災...

展覧会・文化財を見てきました(2011年8月31日)

東京国立博物館・特別展 空海と密教美術(7月20日~9月25日) 資料調査のため東博へ。特別展は見られないかもと覚悟していたが、調査が順調に進んで完了し、いそいそと観覧。真言の各宗派・本山のバックアップで、重宝が一堂に展観される。出陳資料99件のうち98.9%の資料が国宝・重文というキャッチコピーだが(のこり1点は竜光院の金念珠)、それはそのまま展覧会開催にあたっての新規調査の機会がなかったということでもあ...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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