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展覧会・文化財を見てきました(八尾の至宝展)

八尾市歴史民俗資料館・八尾の至宝-八尾市指定文化財20周年記念-(10月8日~11月28日) 最終日に滑り込み。八尾市内に所在する指定文化財(国・県・市指定)を、実物とパネルで紹介する。お目当ては玉祖神社の男女神像(府指定)。男神像は僕頭冠+前方に冠飾を伴う別の冠を二重に着け(ているように見える)、二重の内衣と襟を高く立てた袍をまとい趺坐する。女神像は長い髪を中央で振り分け、内衣、ガイトウ衣をまとい、左膝...

展覧会・文化財を見てきました(愛染明王展、鎌倉×密教展ほか)

神奈川県立金沢文庫・特別展 愛染明王-愛と怒りのほとけ(10月15日~12月4日) 叡尊鎌倉下向750年という節目を設定して、西大寺流律宗における愛染明王信仰を軸にしながら、愛染明王像の諸相を紹介。院政期に王権護持、調伏、敬愛などの効権を求めて隆盛した愛染信仰の所産として、仁和寺円堂様の像として奈良博本(前期は細見美術館本)、個人蔵本などを、法勝寺八角円堂安置の愛染明王像を写した法勝寺図様の像として、根津...

展覧会・文化財を見て来ました。(「渡辺崋山のにせものを見る」ほか)

田原市博物館・渡辺崋山のにせものを見る(11月12日~12月25日) 「伝渡辺崋山」作の作品十数点を含む、約20点ほどの絵画・書簡から構成。「伝崋山」作品、確かに崋山の落款が入っているが真作とはいえない作品が並んでいて、巷間に数多い偽物・贋作をあえて展示室に並べる挑戦的な機会である。しかし、これら「にせもの」を何のために展示するのかという意図が表明されておらず、また作品解説がないため真贋の見極めの基準が明ら...

展覧会・文化財を見てきました(2011年11月21日、福知山醍醐寺)

醍醐寺(福知山市猪崎) 本務は休みの日だけれど、京丹後市史編纂のお仕事で、早朝から京丹後市入り。市内寺院の調査・撮影が終わって少し時間があったので、地道で福知山市に向かい、醍醐寺へ。 寺名の由来は、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔って建立したことによるもの。臨済宗南禅寺派。お目当ては本尊の薬師如来坐像。像内銘に「大日本国丹波国天田郡庵我庄/木塔山醍醐寺本尊薬師瑠/璃光如来 奉作元亀二年辛未/八月七日...

シンポジウム「木津川ものがたり―縁起絵巻の世界―」のお知らせ

京都府立山城郷土資料館のシンポジウムについて、情報をご提供頂きましたのでご紹介します。第26回国民文化祭・京都2011 恭仁京遷都祭シンポジウム「木津川ものがたり―縁起絵巻の世界―」京都府立山城郷土資料館では、古代から物流の幹線として大きな役割を果たし、南山城地域の暮らしと文化を育んできた木津川にスポットをあてた特別展「木津川ものがたり~木津川が生み、育てた文化~」を開催中です(~12/11)。http://www.kyot...

展覧会・文化財を見てきました(2011年11月19日、祇園南海)

和歌山市立博物館・特別展 祇園南海とその時代(10月22日~11月27日) 日本文人画の祖と称される祇園南海の書画を集める、25年ぶりの特別展。若年のころから漢詩の才能が抜群で、書に堪能で、画をよくし、紀州藩に仕える儒家であり、まさしく文人の鑑。従来より知られた代表作を追跡して集めるとともに、新出資料も多数あって、祇園南海研究が高い水準で前進した。南海が所持し、跋文を記している伝唐寅筆山水図巻(個人蔵)とと...

展覧会・文化財を見てきました(2011・11・16、大分歴博ほか)

大分県立歴史博物館・開館30周年記念特別展 仏さまの“ひみつ”(10月21日~11月27日) 仏像や仏画をさまざまな分析法によって調べた成果を提示。もっとも重要な成果は、天福寺奥院に安置される朽損が進む木彫像について、従来平安中期とされてきたものが、炭素14測定法により奈良時代~平安時代初期の可能性が高まったこと。様式論的にもいくつかの作例は奈良時代で問題なし。やや判断が難しいものについても予断を持たずに検討す...

展覧会・文化財を見てきました(2011/11/13、安土城考古博)

滋賀県立安土城考古博物館 特別展「武将が縋った神仏たち」(10月15日~11月20日) 武将がすがった「軍神」に注目し、多様かつ特殊な神仏の数々を集める。展覧会として類例の少ないテーマであり、初公開資料も多数。和歌山・親王院の将軍地蔵像は絹本著色で、背中合わせに双身の着甲菩薩像が描かれる特殊な図像。長野県・永福寺の飯縄権現立像は銅造で、白狐に立つ烏天狗の姿を示し、光背裏面に応永13年(1406)大工源祐正の作の...

京都市無形文化遺産展示室オープン!

京都市より、京都市無形文化遺産展示室、オープンのお知らせです(^o^)。 このたび、京都駅前のヨドバシカメラの1階部分に京都市が「京都市無形文化遺産展示室」を設置いたしました。 これは、京都祇園祭の山鉾行事が、ユネスコの無形文化遺産に登録された(2009年)ことを記念して、またヨドバシカメラの藤沢昭和社長による無償供与の申し出によって実現したものです。 展示内容は、祇園祭に関するパネル展示、立命館大学のバ...

玉稿拝受しました(「半跏思惟形の如意輪観音像の成立をめぐって」ほか)

すなわち12世紀後半、聖徳太子ゆかりの寺院への新出をはかっていた真言宗の意図と、太子および如意輪観音の功徳により王権を護持したいという後白河院の思いが一致し、半跏思惟形の如意輪観音像の成立へと結びついたのではないだろうか。(清水2010、344頁)清水紀枝「半跏思惟形の如意輪観音像の成立をめぐって-醍醐寺との関わりを中心に-」(『美術史研究』46、2008・12)清水紀枝「12・13世紀の日本における如意輪観音像の展開...

重文の阿弥陀立像と十一面立像@特別展「木津川ものがたり」

京都府立山城郷土資料館よりお知らせです(^o^)。現在、第26回国民文化祭・京都2011の一環として京都府立山城郷土資料館にて特別展「木津川ものがたり~木津川が生み、育てた文化~」を開催中です。(12/11まで、月曜休館。入館料一般250円、65歳以上無料) http://www.kyoto-be.ne.jp/yamasiro-m/office.html#autumn古代から物流の幹線として大きな役割を果たし、南山城地域の暮らしと文化を育んできた木津川にスポットをあてた特...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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