Entries

玉稿拝受しました(郷土玩具の新解釈、笙ノ窟と不動明王他)

「フィールド・サイエンスである民俗学は、日常のあらゆる「あたりまえ」を問い直すことを出発点に据える学問である。郷土玩具の誘惑に方法論的に抗うことは、他者認識/理解と自己の問い直しの作業でもあり、そこから得られる知見は、我々の身体を拘束して離さない近代性そのものへの問いに対する解でもある。」(14ページ)加藤幸治『郷土玩具の新解釈-無意識の“郷愁"はなぜ生まれたか-』(社会評論社、2011年12月)「通常仏像...

展覧会・文化財を見てきました(2011年12月29日、達身寺)

達身寺 朝から、祖母の墓参りに丹波市氷上町の岩瀧寺へ。独鈷の滝も拝み、子らは少し積もった雪ではしゃぐ。用事を終えて、同町内の達身寺へ。 重文12躯、県指定34躯、市指定33躯134片という仏像群が、新旧の収蔵庫2棟と本堂に分けて安置される。新収蔵庫中央には平安時代末の本尊阿弥陀如来坐像・薬師如来坐像・十一面観音坐像(ただし寺では鎌倉時代初期説をとる)を安置し、同じ作風で法量も一致する地蔵菩薩坐像や、平安時...

展覧会・文化財を見てきました(仙台市博、そして被災地)

仙台市博物館・特別展 仏のかたち 人のすがた-仙台ゆかりの仏像と肖像彫刻-(11月1日~12月11日) 東日本大震災復興祈念の展示として、仙台市内の仏像・肖像を集約する。仏像は制作時代順に展示され、冒頭は奈良時代造像の可能性が極めて高い十八夜観音堂の菩薩形立像。先般奈良時代の作という調査結果が紹介された、表現が細部まで近似する大分県・天福寺奥院の菩薩形立像のパネルもあわせて展示され、東北と九州の作例比較...

展覧会・文化財を見てきました(高野山霊宝館)

高野山霊宝館・企画展「弘法大師と密教儀礼」(10月1日~12月18日) 朝から娘の幼稚園の行事があり、終了後、高野山に直行。山の中腹から厚い霧が立ちこめ、山上は視界が10mぐらいの濃霧。展示ではさまざまな弘法大師の絵画作例を蔵出しするとともに、密教儀礼に関わる図像、法具、経典などを展示。大師像では、竜光院の弘法大師二大弟子像(南北朝時代)は特殊な図像で初見。大師の両脇に僧形立像がたち、下方に不動明王と両頭...

玉稿拝受しました(2011年12月3日)

「これまで称名寺本『覚禅抄』に「東寺事」として『東寺講堂御仏御舎利員数』が組み込まれていた可能性が高いことを見てきた。(中略)東寺講堂諸尊が運慶工房によって修理され、その最中の舎利発見が大きな驚きをもって受け止められたことは、よく知られている。では何故『覚禅抄』に含まれたのかを考えるとき、高野山西南院本をはじめとして、『覚禅抄』が文永から弘安頃に多数書写されたということに注目される。この時期はちょ...

読書記録(2011年11月分)

読書記録、2011年11月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。伊藤裕偉『聖地熊野の舞台裏ー地域を支えた中世の人々』(高志書院、2011年3月)「熊野三山の近隣地域は、無条件に熊野三山につながっていると思いがちである。確かに関わりは深いが、実態はもっと複雑で、それほど単純ではないのであろう。地域はそれぞれの個性によって独自の動きを示す場合がある。相野荘・鵜殿荘の動向もそういった観点から見直す必要がある。」...

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

月別アーカイブ

ブログ内検索