長講堂 ・京の冬の旅 非公開文化財特別公開 長講堂(1月7日~3月18日) 本堂・御影堂の諸尊像が公開中。本堂の阿弥陀三尊像は平安時代末(重文)。院尊造像か。両脇侍が外側の足を垂下させる当該時期においては珍しい作例。奈良風という解釈もありうるが、宋仏画風とも、当麻曼荼羅など阿弥陀浄土図風ともいえる。ほか本堂では、塔頭法光庵本尊の阿弥陀三尊像(鎌倉時代)なども公開。御影堂の後白河法皇像(重文)も開帳。...
奈良国立博物館・特別陳列「おん祭と春日信仰の美術」(12月6日~1月15日) 恒例のおん祭展に最終日に滑り込み。今年度は東大史料編纂所と協力で、春日大社所蔵『大東文書』の調査成果を反映させた内容。図録(80ページ、1500円)には大東延和「春日の神々に使えた社家の歴史」、末柄豊「春日社社家の記録文書類の伝来-大東延慶の果たした役割」など掲載。展示では祭礼のうち、競馬、相撲にも注目。箱書きに山辺郡勝原荘の春日...
「はくぶつかん屋」(http://hist-muse.blog.so-net.ne.jp/)1月5日の記事で、「公立博物館の設置及び運営上の望ましい基準」の全部改正による「博物館の設置及び運営上の望ましい基準」が告示されていることを教えていただきました(文部科学省告示第165号)。 官報のPDFファイルをもとに、覚え書きとして、とりあえず全文を以下に貼り付けます。現状の博物館運営の上で、できていることできていないこと、しっかりチェック...
「それにしても、貞慶の関与が確実な造形文化のほとんどが歴史の渦中で滅失したことを思えば、(中略)その特色ある信仰体系と、在世中におけるその影響を証言する峰定寺像の意義は、誠に大きいといわねばならない。しかし研究史の回顧を終えて像と納入品を顧みれば、その内包する情報には未だ沈黙している部分が少なくなく、造立背景についても未だトータルに把握されていないことに改めて気づかされるのである。」(204ページ)...
読書記録、2011年12月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。小山靖憲「世界遺産吉野・高野・熊野をゆく」(朝日新聞社、2004・8、再読)「解禁か否かの議論をみてみると、解禁に反対する人びとは口々に「伝統」を主張するにもかかわらず、いつから始まったどのような伝統なのか、説得的な議論を一向に展開していない(中略)女人禁制(女人結界)は、原則として撤廃されるべきであるが、解禁に反対する人びとを完全に説得でき...