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アンケート:「ミュージアムは教育・学術・文化の発展にどのように寄与すべきか」

 帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第3回目のお題は、「ミュージアムは教育・学術・文化の発展にどのように寄与すべきか」です。 講義では、博物館法の構造を知るために関連する法律を提示した上で、博物館は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を育成する(教育基本法1章1条)にあたり、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即...

玉稿拝受(「展示会およびその調査から展開する地域文化遺産の保護活動」)

「日本近代彫刻史において塩田行屋の仏像は、深海宗慶、明治時代の山形の仏像、宗慶が竹太郎に与えた影響、後年の竹太郎の造形、などを理解する手掛かりにもなろう。近年の研究においては、明治時代の彫刻は江戸時代から完全に断絶したものではなく、ある程度の連続性を持って捉えようとする傾向が強まっている。たとえば、江戸時代末期から続く仏師・人形師などを生業としたり修行したりした経験を持つ者が明治時代に彫刻家として...

琵琶湖文化館の機能再生への道筋

滋賀県立琵琶湖文化館の休館問題について、これまでに次の記事で取り上げてきました。 琵琶湖文化館、頑張って(2008年1月5日) 琵琶湖文化館の展覧会企画力(2008年1月30日) 琵琶湖文化館休館決定(2008年3月3日) 「休憩」前の琵琶湖文化館(2008年3月10日) 琵琶湖文化館さらに受難(2009年10月11日) 琵琶湖文化館の今後(2010年1月20日) 九州国立博物館「湖の国の名宝―最澄がつないだ近江と太宰府―」(2010年8...

アンケート:「学芸員に必要な○○力」

 帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第2回目のお題は、「学芸員に必要な○○力」。回答の50音順に示します。・「遺物などを取り扱う技術力」。そしてものを説明できる「説得力」。・「意匠力」。展示物をどのように魅せるか。・「演出力」。・「観察力」と「MUSEUMの目的に沿った展示ができる力」、あと「腕力」。・「語学力」。英語、中国語など日本だけでなく海外にも対応する力が必要だと思ってます。・「...

展覧会・文化財を見てきました(法隆寺大宝蔵殿「宝物から見た法隆寺-鎌倉時代-」)

法隆寺大宝蔵殿・法隆寺秘宝展 宝物から見た法隆寺-鎌倉時代-(3月20日~6月30日) 南都寺院としての法隆寺の鎌倉時代のようすを、残された多様な資料から提示。戦乱や災害の被害が少なく飛鳥時代の資料でさえ多数残る法隆寺は、中世資料の宝庫でもある。閼伽井坊地蔵堂本尊の地蔵菩薩坐像(重文)は左足を垂下させた姿で、鎌倉時代前期の優美な像。善派か。ほか厨子入善女龍王像(重文)や役行者二鬼像など。独特な構図の春...

アンケート:「あなたはMUSEUMに何を求めますか?」

恒例?となっております、帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケートを、2012年度も公開して参ります。第1回目のお題は、「あなたはMUSEUMに何を求めますか?」。回答の50音順に示します。・新たな考え方、視点を与えてくれること。なんとも思っていなかった展示物でも、館が情報を与えて、見た人に新しい視点などを持たせてほしい。・今まで知らなかった作品や、作品についての知識を求めています。・美しいもの、価値のある...

展覧会・文化財を見てきました(奈良博・貞慶展)

奈良国立博物館・御遠忌800年記念特別展 解脱上人貞慶-鎌倉仏教の本流-(4月7日~5月27日) 鎌倉時代前期の南都を代表する学僧で、後半生は遁世しながら、法相教学の興隆、戒律復興や南都諸寺院再建勧進などに尽力し、同時代の貴顕や宗教界に大きな思想的影響を与えた解脱房貞慶をクローズアップ。貞慶書写の聖教奥書や著作、講式を軸に貞慶の宗教活動の軌跡とその思想を示し、あわせて貞慶の終焉の地、海住山寺の関連文化...

玉稿拝受(「京都・三時知恩寺の善導大師像」「龍華寺本『三国祖師影』について」)

「このたびの保存修理により、本像は、文禄五年(一五九六)、大仏師大蔵卿法印の作であることが明らかとなり、また、制作当初の彩色と容貌をよみがえらせることになった。桃山時代の本格的な肖像彫刻である本像の存在は、今後、近世彫刻史および浄土宗美術史の分野において、重要作品として評価されることが期待されるだろう。」(14頁)萩原哉・明珍素也「京都・三時知恩寺の善導大師像」(『武蔵野美術大学研究紀要』42、2012年...

玉稿拝受(「愛知・瀧山寺聖観音・梵天・帝釈天像の付属荘厳具」)

「本荘厳具の意匠を検討した結果、聖観音分には、一部に東寺講堂像への志向が見られ、飛鳥・白鳳意匠の積極的摂取が確認された。(中略)こうした聖観音の像容は、飛鳥・白鳳期の事象に対する何らかの意識が制作主体側に存し、それが造形に表れたものと考えられる。東寺の瀧山寺や当地に勢力をもった熱田大宮司家、そしてその一族で瀧山寺住僧だった寛伝と源頼朝の関係を考慮すると、その意識とは聖徳太子に関わるもので、荘厳意匠...

読書記録(2012年3月分)

読書記録、2012年3月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。吉村均『神と仏の倫理思想-日本仏教を読み直す』(北樹出版、2009・6)「近代仏教においては、仏教は釈尊を出発点として発展していく思想として捉えられ、庶民の信仰は迷信として切り捨てられることになった。民衆信仰を研究対象としたのは、(それ自体も近代の学からはみ出した)次節で扱う民俗学である。かくして思想面においても神仏分離が果たされた。」(47ペ...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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