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読書記録(2012年5月分)

読書記録、2012年5月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。寒川旭『秀吉を襲った大地震-地震考古学で戦国史を読む』(平凡社、2010・1)「南海トラフでは、ある程度定まった間隔でトラフの東側と西側が一緒に地震を起こしており、片側の地震規模が大きい(小さい)と、もう一方も大きい(小さい)という傾向がある。そして、このような規則性が将来も保たれるなら、二一世紀、それも中頃までに次のサイクルが訪れるはずであ...

拙稿紹介「ロビー展「仮面の世界へご招待」がもたらしたもの」

「ユニバーサル・ミュージアムという概念には、おそらく「これだけしたら十分だ」という達成点はないでしょう。もしあるとすれば、この博物館は自分のために作られている、と誰もが感じられた場合です。もちろんそれはなかなか難しいことです。 それでも、一人でも多くの人に充実感を抱いてもらうためにどうすればよいのかという問いは、決して難しいものではないと思います。本稿での紹介をふまえれば、それは情報が届きにくい人...

拙稿紹介「参詣者を惹きつけた熊野三山の魅力」

「二〇一一年九月に発生した台風12号により起きた洪水は、熊野川、那智川の流域で多くの集落を呑み込む空前の被害となり、熊野の景観にも大きな影響を及ぼした。 熊野の文化的景観は、雄大な自然を畏れ、祀り、共生する中で、人と自然がともに織りなし築きあげられてきたものである。時に自然の荒々しさ、厳しさに翻弄されながら、そうした試練を受け止めてきた熊野の歴史を振り返り、確かな復興への道を歩んでいかねばならない。...

アンケート:学芸員が倫理的にやっちゃだめなこと

 帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第6回目。「学芸員が倫理的にやっちゃだめなこと」です。イコム(ICOM・国際博物館会議)の職業倫理規定を読んだので、このお題です。回答の50音順に示します。・ある一部の人に干渉するような文言は、説明文や直接説明する時にいれてはいけないと思います。あらゆる人に公平、かつプラスになる説明を心がけるべきでは。・遺骸や神聖な意義を持つ資料以外の物であっても...

アンケート「あらゆる人が博物館を利用しやすくするにはどうすればよいか」

 帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第5回目。「あらゆる人が博物館を利用しやすくするにはどうすればよいか」です。回答の50音順に示します。・案内役を置いたり、展示物を増やす。・外国人の方にもわかりやすいように英訳などをつける。わかりやすく詳しい宣伝をする。・交通の便をよくして行きやすくしたり、ハンズオン展示を多く取り入れて年齢関係なく楽しんで博物館を利用できるようにする。また来た...

玉稿拝受(真宗肖像彫刻、神像と近代)

「ひとつは、肖像画においては、親鸞以来、生前に制作がなされる事例が確認できるのに対し、肖像彫刻の造立はいずれも像主の没後であり、生前に造立が遡る「寿像」の存在は確認できない点にある。このことは、禅宗あるいは時宗の肖像彫刻に「寿像」が少なからず存在することを思えば、一線を画している。しかも像内には遺骨(焼骨)が納置される場合が多く、これが中世真宗の肖像彫刻を造立する契機となり得たものとも考える。ふた...

展覧会・文化財を見てきました(會津八一記念館、東博他、皇學館大学神道博物館)

5月11日早稲田大学會津八一記念博物館・特集展示 館仏三昧-早稲田仏像コレクション-(4月11日~6月12日) 館蔵品の會津八一が集めた仏像、富岡重憲コレクション、 森靖コレクションの仏像を紹介する「観仏三昧」ならぬ「館仏三昧」展。近年寄贈された森靖コレクション中の観音菩薩三十三応化身像(6躯)に注目。像高35センチほどで、頭部が大きいプロポーション、眼のつり上がった宋風の風貌、なで肩でずんぐりとした砲弾...

拙稿紹介「中津川行者堂(極楽寺)の修験道関連資料」

「本稿では、中津川行者堂(極楽寺)と熊野神社の修験道関連資料について紹介した。筆者の力量不足で碑伝・護摩札の内容分析にまで踏み込めず、また各資料を総合的に把握した修験道史の叙述も行えなかったが、今後これら資料の分析を通じて、中津川の宗教環境の形成過程や、聖護院により葛城修験の拠点として位置づけられる過程について、粉河寺と本寺である聖護院の関係性についても注視しながら、検討していく必要がある。 そう...

アンケート:「ミュージアムに行って「よかった」と思ったことはありますか」

 帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第4回目のお題は、「ミュージアムに行って「よかった」と思ったことはありますか」です。回答の50音順に示します。・新しい知識を得る事ができたことがよかったと思います。・ある程度興味があって調べて、自分なりに勉強してから行くことが多いのですが、やはり“実物”を見て情報を得ることほど貴重な体験はないし、情報の入り方も全く違ってきます。・今まで知っていた...

展覧会・文化財を見てきました(高野山霊宝館「越前丸岡藩主 本多重昭の奉納品」ほか)

高野山霊宝館・特集陳列 越前丸岡藩主 本多重昭の奉納品~重要文化財から羊の角?まで~・小特集 江戸時代の絵画(4月28日~7月8日) 多種多様な高野山の文化財の中から、普段は注目されない2つのテーマで展観。「本田重昭の奉納品」では、柿木九尊像(浮彫九尊像)など仏教美術の名品とともに、蒔絵合子入真珠・白小石や卵形黒石、卵形黄褐色練玉、茶褐色玉石、能作生、如意宝珠、黒褐色丸石、羊角、練玉(弁天玉石)などな...

展覧会・文化財を見てきました(東寺・檀王法林寺・京博・法性寺・東福寺)

東寺宝物館・特別公開 東寺の法会用具-祈りと美-(3月20日~5月25日) 舎利会や堂塔供養などで用いられた鎌倉~南北朝時代の用具からなる、東寺の重要文化財・法会諸用具類が、平成23年度に追加分を新たに指定されたことを契機として展示。これまで未指定だった阿修羅、迦楼羅など複雑な造形の八部衆や獅子子などの優れた中世の行道面をじっくり鑑賞。ほか平安時代の水精製念珠(重文)など。図録ないが、A48ページのリーフ...

読書記録(2012年4月分)

読書記録、2012年4月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。五来重『増補=高野聖』(角川書店、1975)(再読)「高野聖はまた高野山のかくれた一面をしめしてくれる。高野山は真言宗の総本山であることは知られているが、もはや念仏や浄土信仰の山であったことは忘れられてしまった。しかしこのかくされた面こそ、高野山が真言宗の総本山であることよりもっと重要な、日本総菩提所としての霊場となった根本的因縁である。それ...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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