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展覧会・文化財を見てきました(「源頼朝と重源」、「天地を巡る日月星宿」)

7月29日奈良国立博物館・特別展 頼朝と重源-東大寺再興を支えた鎌倉と奈良の絆-(7月21日~9月17日) 主催に東大寺と鶴岡八幡宮が入り、両寺社の関わりの深さの中で企画される。これまでにも奈良博では鎌倉期の東大寺復興造営や重源については取り上げられてきたが、こうした主催のあり方から今回は、重源から大勧進職を引き継いだ栄西・行勇についてとりあげた「第4章 栄西そして行勇へ-大勧進の継承-」や、頼朝の鎌倉...

アンケート:私が求めるミュージアムのユニバーサルデザイン-こんなミュージアムなら使いやすい-

帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第12回目。「私が求めるミュージアムのユニバーサルデザイン-こんなミュージアムなら使いやすい-」です。(回答50音順)・映像機器を取り入れた博物館です。・仮面などのレプリカが作れて触れることができる展覧会では体験コーナーを作るなど、あらゆる人が展示物を見たり触れたりして楽しめるような工夫。・監視・警備の人の視線が気になるので、警備体制をゆるめると気...

玉稿拝受(「熊野の知られざる異像-礼殿執金剛-」)

「現存作例中、十三世紀にさかのぼる作例である聖護院本、熊野那智大社本の図像が多臂の金剛童子の図像で描かれていた。特に聖護院本の礼殿執金剛の身色が制作当初は青色に彩色されていた形跡が確認できることなどから、『長秋記』の記述にみられるようにおそらく、「礼殿を守護する金剛童子」として描かれ、その際に寺門派ゆかりの多臂像が選択されたと推測される。だが、この二作例以外の熊野曼荼羅に描かれる礼殿執金剛は二臂像...

展覧会・文化財を見てきました。(宮島・厳島神社ほか)

7月16日秋吉台国際芸術村・柴川敏之展-2000年後の化石絵巻(7月2日~7月29日) 秋芳洞、秋吉台をめぐって、近くの秋吉台国際芸術村へ。山中の桃源郷のようなところ。 身近なものの表面に錆の堆積風塗装を施して、2000年の時を経て出土したものと見立てる展示。2000年後の未来の視点から現代を考えるきっかけに、とのことだが、錆びを表す技法が秀逸で、多分この技法が先にあって、コンセプトが後からついてきたのではあるま...

携帯電話の思い出-web上の展覧会-

 帝塚山大学博物館経営論の講義で、ミュージアムと市民参加・市民参画について話し、その実践編として「マイミュージアムギャラリー」についてもお伝えしました。これは、誰もが持つ思い出の品を思い出とともに展示することで、あらゆるモノが歴史を物語る資料であることに気づいてもらい、そして附属する思い出によってそのモノの見え方も変わることに気づいてもらうという展示で、和歌山県立博物館のロビーで継続して開催してい...

葛城市歴史博物館企画展「重要文化財 當麻寺縁起絵巻-中巻-」

葛城市歴史博物館から、企画展「重要文化財 當麻寺縁起絵巻-中巻-」(7/21~8/20)のご案内を頂きましたので、ご紹介します。  奈良国立博物館から100年ぶりの里帰り展として、平成22年からスタートしたこの絵巻展も、今回の「中巻」の公開で、三巻ある絵巻の全巻をご覧いただくことになり、本展がその完結編となります。  さて、絵巻「中巻」の内容ですが、主人公「中将姫」の誕生にまつわる話から始まり、幾多の苦難に遭遇...

展覧会・文化財を見てきました(東大寺・長岳寺・石上神宮)

東大寺ミュージアム・特別展 奈良時代の東大寺(2011年10月10日~2013年1月14日) 和歌山県文化財研究会の見学会にボランティアで参加して解説。「天才仏師運慶を生んだ奈良」をテーマにしてルートも選定。まず南大門仁王像前で、惣大仏師運慶の作であることを解説。東大寺ミュージアムでは、不空羂索観音立像と宝冠について、館内外で解説し、奈良時代彫刻とそれに大きな影響を与えた唐様式について解説。大仏殿にもまわり、重...

展覧会・文化財を見てきました(いずみの国歴史館「ほとけのかたち」)

和泉市いずみの国歴史館・特別展 ほとけのかたち-和泉市内の仏像・仏画展-(5月19日~7月16日) 会期終盤に、ようやく訪問。和泉市史編纂事業に伴う調査で把握されてきた仏教美術を展観。注目は、施福寺の大日如来坐像。像高22.4㎝の小像で、針葉樹(たぶんヒノキ)、両手が当初か後補かの見極めが必要であるが、9世紀半ばから後半にかけての密教尊像。台座は蓮肉部上縁で裁ち落とされてるが本体と共木であったのでは。冠ゾ...

読書記録(2012年6月分)

読書記録、2012年6月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。伊藤聡『神道とは何か-神と仏の日本史』(中央公論新社、2012・4)「古代の神祇信仰は、基本的には多神教的自然崇拝に過ぎず、人間の内面と関わる契機を持たない。神道とは、この信仰の基礎の上に、神仏習合思想・中世神道説によって生み出された神に対する思惟が成り、劣等感と優越感が交錯する対外意識が加わり、近世以降、さらに天皇教として再編されることを経...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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