10月29日奈良国立博物館・第64回正倉院展(10月27日~11月12日) 恒例の正倉院展。阿弥陀二十五菩薩像を自館で展示中なので、甘竹簫、鉄方響に興味をもって眺める。今年、「最重要資料」の扱いを受けているのは、瑠璃坏。紺色のガラスに銀製台脚がついて、豪華さを増す。本作品のみ、最前列で見る場合は、別の列に並ぶ方式。密陀彩絵箱は、唐草や鳳凰、怪魚等を大変おおらかな画風で描きながら、文様配置は整然と計画されている。...
10月27日大津市歴史博物館・企画展 阿弥陀さま-極楽浄土への誓い-(10月13日~11月25日) 法然入滅800年、親鸞入滅750年の節目に、浄土信仰発祥の要地・比叡山を抱える大津市で、新発見資料を多数含む、さまざまな阿弥陀如来像を集める。 西教寺本尊の丈六阿弥陀如来坐像(重要文化財・平安時代後期)の光背に取り付けられる化仏と飛天が、直近の調査で造像当初のものと判明、そのうち化仏4躯を出陳。院政期における丈六阿弥...
10月21日岐阜県博物館・特別展 飛騨・美濃の信仰と造形-古代・中世の遺産-(9月21日~10月28日) 岐阜県での国体開催にあわせて、県内の宗教文化に関わる優品を、指定物件を中心に集める。常楽寺菩薩形坐像2躯(重文)は、平安時代初期の珍しい奏楽菩薩像で、動きのある体勢、生き生きとした面貌表現に優れる。岩滝山奉賛会毘沙門天立像(重文)は、和風の兜を着ける珍しい姿。一般に、類似する動勢の願成就院や浄楽寺の運慶...
10月11日高野山霊宝館・企画展 天皇の霊宝-王朝が見た高野山-(9月29日~12月16日) 資料借用で訪問して展示も見学させてもらう。平安時代から近~現代までの、天皇家からのさまざまな奉納品を集約。宝亀院の十一面観音立像(重文)は、観賢が延喜21年(921)に高野登山の際、宮中二間観音を模刻して安置したと伝承されるが、作風は9世紀に遡る檀像の優品。富士額に表した異国風の風貌とあわせて、そのルーツが何か興味深い。...
読書記録、2012年9月分。論文は除く。発行年月日は初版のもの。大阪人権博物館編『人権にはたす博物館の役割』(大阪人権博物館、2001・3)「展示というのは、先ほど赤尾さんの話にあったように、ある現実を切り取って構成されたものです。われわれ学芸員のものの見方、館のものの見方で脚色されたもので、それも疑似体験の一つにすぎないわけです。疑似体験があるということは、本体験があるということですね。本体験をするとい...