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玉稿拝受(運慶の十二神将、新薬師寺の薬師像の様式)

「なお十二神将像は、前述のように藤岡穣氏や瀬谷貴之氏の推定にしたがえば、建暦二年(一二一二)頃の造像ということになるが、同年頃に興福寺北円堂の運慶一門による再興造像が完成していることも注目される。同寺南円堂伝来の四天王の本来の安置堂宇についてかねて議論があり、北円堂説も有力になりつつある。この十二神将像が同時期の運慶の神将形像の真作として認められるか否かは、その議論の帰趨に影響を与える可能性もある...

展覧会・文化財を見てきました(国立民族学博物館「記憶をつなぐ-津波災害と文化遺産」)

11月24日国立民族学博物館・企画展 記憶をつなぐ-津波災害と文化遺産-(9月27日~11月27日) 東日本大震災によって、甚大な被害を被った有形・無形の文化財をいかに後世に伝えるかという喫緊の課題に対し、特に祭や芸能の復興に着目して、それらが被災地域の共同体における紐帯となっている実際を伝える。また人間文化研究機構による文化財レスキューの活動報告も行う。 芸能関係資料として、岩手県大船渡市笹崎鹿踊、釜石市...

中学生に伝える「文化財をなぜ守るのか?」の理路

 11月13日に、和歌山市立東中学校の総合学習「出会いに感謝して」の外部講師としてお話をする内容を、アップします。大急ぎで作ったので、論理のやや甘いところもあるのですが、なんとか文化財を身近に、大切なものと感じてもらえるようにという思いです。画像が無いと、分かりにくいかもしれません。ご容赦。文化財をなぜ守るのか?―和歌山県の魅力あふれる歴史と文化を未来へ伝える―(和歌山県立博物館 学芸員 大河内 智之)1...

展覧会・文化財を見てきました(福岡市博物館・西南学院大学博物館・九州歴史資料館)

11月7日福岡市博物館・特別展 能のかたち-NIPPON 美の玉手箱-(9月15日~11月11日) 福岡市博所蔵の能面・能装束コレクションを活用しながら、特に能面の多用なかたちと、制作者(面打)の系譜を、全国から優品を集めて網羅的に取り上げる。第1部で翁・尉・男・女・鬼神(怨霊面は男女面に含める)の面を示し、第2部で銘記と焼印に注目して面打をおおむね家別に示す。第3部で福岡と能について取り上げて地域史への目配り...

展覧会・文化財を見てきました(金剛峯寺徳川家霊台特別公開)

11月5日金剛峯寺徳川家霊台 徳川家霊台特別公開(11月1日~11月7日・11月22日~11月25日) 高野山上、南院の裏手にある、徳川家康・徳川秀忠の位牌所である徳川家霊台の、初の一般公開。寛永10年(1633)造営に着手し、同20年に落慶した、宝形造の同じ平面の建物が二棟並び、それぞれ瑞垣で区画し、家康霊屋の前には鳥居を据える。元は近世に高野山聖方の本寺であった大徳院の位牌所で、徳川家光が大檀主となって造営。禅宗様の...

展覧会・文化財を見てきました(鶴林寺本堂秘仏本尊特別開帳・新宝物館開館記念特別展)

11月4日鶴林寺・本堂秘仏本尊特別開帳・鶴林寺新宝物館開館記念特別展(10月6日~11月25日) 2002年、鶴林寺所蔵の高麗仏画である阿弥陀三尊像(重文)と、聖徳太子絵伝(重文)が韓国の窃盗団により盗難にあった。聖徳太子絵伝は窃盗団との交渉で翌年買い戻され、さらにその翌年に犯人は逮捕されたが、阿弥陀三尊像はなお取り戻されていない。この事件を契機に、セキュリティー強化のために新たに建設された宝物館の、開館記念...

展覧会・文化財を見てきました(龍谷M、東寺宝物館、京博、大和文華館、二上山博)

11月1日龍谷ミュージアム 特別展 “絵解き”ってなぁに?-語り継がれる仏教絵画-(10月13日~11月25日) 仏教者による唱導の一形態である「絵解き」のあり方を、絵画資料を中心とした多数の資料を集約して「絵解」いた、意欲的な内容。絵因果経の諸本、金戒光明寺地獄極楽図、道成寺縁起、各種の寺院縁起絵や高僧絵伝、参詣曼荼羅などなど、指定物件の優品から、近時見出された新出のものまで、各地に伝わる唱導関連資料に細か...

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プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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