東寺【教王護国寺】宝物館 東寺の密教工芸-荘厳の美- (3月20日~5月25日) 東寺伝来の金工品・染織品を展示。平安初期密教法具は少なめながら、大鋺、鋺、皿、角蓋、鉢からなる重文の金銅製供養具28点と、建武2年(1335)に弘真(文観)が御影堂に寄進した内裏相伝の空海使用袈裟を写した三衣のうち、従来から知られていた九条袈裟と新たに発見された五条袈裟を、弘真施入状とともに展示。展示冒頭には、仏像の台座に附属...
「上宮会像の銘記の番匠が造像の直接の関係者か、厨子の製作者かは不明であるが、仏師とともに番匠が銘記に名を連ねるのは善慶工房と尭慶工房に組織的な類似点があるゆえであろう。やがて室町時代の南都においては番匠集団のなかから造仏に進出する一派があらわれ、宿院仏所を形成したことが知られるが、上宮会像銘記の三郎・七郎の名はそのはるかな先蹤といえるかもしれない。」(116頁)山本勉・小久保芙美・神野祐太・伊波知秋...
4月19日の展覧会鑑賞。大阪市立美術館 特別展 山の神仏 吉野・熊野・高野 (4月8日~6月1日) 紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産登録10周年の記念展。吉野・熊野・高野の各地域に伝わる仏像・神像・仏画を集め、その神仏習合の宗教的空間を提示する。特に吉野の修験道関連資料と熊野の熊野曼荼羅図が充実。櫻本坊の大峯八大童子立像(南北朝~室町時代)、吉野水分神社の洗練された獅子・狛犬(鎌倉時代)は、新資料とし...
「現存最古の荒神像の遺品になる金峯山経塚出土の線刻扉絵は三面八臂であり、これに次ぐかと思われる道川神社像は三面六臂の忿怒形、そして絵画で現存最古級かと思われる道隆寺本が八面二臂像であり、成立後しばらくは三宝荒神の図像は一定していなかったかと考えられる。 その後三宝荒神の造像が活発化する室町中後期に至ると、三宝荒神の図像は早速に一人歩きを始め変貌を遂げていく。一方で如来荒神や蔵王権現と習合して新たな...