6月21日、会議の前に上野へGO!東京国立博物館 特集 平成29年度 新収品(6月19日~7月29日) 東博の新収蔵資料のお披露目。身の毛もよだつ恐ろしい表情を見せる梅若家伝来の山姥(伝赤鶴作)は、定形化する以前の中世仮面らしい個性的な魅力と、それでいてゆがみなく左右対称に整った造形が狂気をより強調する。怪異表現の一つの到達点。仮面の年代比定は本当に難しいが、南北朝時代(14世紀)とされる(観阿弥の時代)。後に...
6月20日、会議ついでにいくつか展示鑑賞。國學院大學博物館 特別展 狂言-山本東次郎家の面-(5月26日~7月8日) 大蔵流山本東次郎家伝来の狂言面の中から優品を選んで展示。冒頭、中世の黒色尉が5面、ずらりと並び、中でも鎌倉時代とされる一面は実年代不明も、大ぶりで確かに古様(この面のみ面裏鑑賞可)。翁(白色尉)、父尉、延命冠者も伝来するのを知る。鬼、神鳴、青武悪など珍しいもの多く、良質な家元伝来仮面を堪能...
6月18日、講義のため奈良に向かう途中に地震。休講となって和歌山に引き返す。途中高野山に立ち寄って、霊宝館の企画展をようやく鑑賞。高野山霊宝館企画展 室町時代の高野山(4月14日~7月8日) 室町時代(南北朝・室町・戦国時代)の高野山における信仰の所産を、絵画や古文書、工芸品を中心に紹介。南北両朝との距離を保った一山の体制を誓った貞和4年(1348)金剛峯寺衆徒契状写、文和3年(1354)宥快が入手した梵本大般涅槃...
6月5日神奈川県立金沢文庫 企画展 御仏のおわす国-国宝 称名寺聖教がつむぐ浄土の物語-(5月11日~7月8日) 仏国土イメージの語られ方とその受容の展開を、称名寺聖教と宋版一切経をフル活用して提示する。冒頭で、仏国土としての娑婆(サハー)と、釈尊涅槃後の無仏時代(阿羅漢の時代)における弥勒下生を希求する物語を丁寧に提示するのは、もちろん称名寺本尊弥勒菩薩への信仰を踏まえてのこと。ずらり並ぶ経典は、雑阿含...