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『太鼓形の酒器?金剛輪寺の太鼓樽?』

 愛荘町立歴史文化博物館(→ウェブサイト)の秋季展示会『太鼓形の酒器?金剛輪寺の太鼓樽?』の情報を頂戴しましたので、お知らせします。情報のご提供、ありがとうございました。
1.趣旨・内容
 金剛輪寺本堂にある「豆の木太鼓」。最近の調査により、この豆の木太鼓が中世の酒器であることが明らかになりました。「太鼓樽(「太鼓形酒筒」)と呼ばれる酒樽です。中世の絵巻類には、さまざまな太鼓樽が酒宴に描かれるほか、慶事の場へ運びこまれる様子がみえます。しかし、中世の太鼓樽の遺例は全国でも少なく、今回の発見は工芸品の歴史を考えるうえで大変貴重な一例となりました。
 また、金剛輪寺に伝わる中世文書「金剛輪寺下倉米銭下用帳」には「樽二荷酒代」などの酒樽に関する記述が頻繁にみえ、特に近江の守護である京極氏、六角氏が陣を取るときや帰陣の際には「御礼樽酒代」とみえるように、挨拶として礼物である酒樽を頻繁に贈っていたことがわかります。
 秋季展示会では、数少ない伝世品のなかでも、この度新しく発見された金剛輪寺の太鼓樽をはじめ、大願寺(広島県)、遍明院(岡山県)、津田天満神社(兵庫県)、舟津神社(福井県)が所有する太鼓樽を展示するほか、「金剛輪寺下倉米銭下用帳」の断簡や太鼓樽が描かれた絵巻類の写真パネルを展示します。

2.展示会のみどころ
 従来、打楽器と思われていた金剛輪寺の「豆の木太鼓」が実は中世の酒器(太鼓形酒筒)であった。
 中世の山寺では酒の醸造が行われており、それは金剛輪寺においても例外ではなかった。その根拠の一つに、寺の会計簿ともいうべき「金剛輪寺下倉米銭下用帳」には酒の贈答、販売や樽代に関する記述が多くみえる。当時、酒の貯蔵・運搬具としては、結桶製の匾樽が極一般的な酒器であったが、「太鼓樽」はそのような簡素で実用的な樽とは異なり、祝宴につきものの歌や踊りに欠かせないリズム楽器「太鼓」を模した酒の容器である。叩いて祝宴の座を賑やかに囃すことはできなくても、太鼓樽が側に侍っているだけでその雰囲気が盛り上がるということであろうか。
 また、太鼓樽はさまざまな絵巻類にも描かれており、その場面や形、意匠もバラエティに富む。
 これらの展示資料(実物・パネル)をとおして往時の酒器がもつ魅力に迫る。

3.期  間 平成20年10月18日(土)? 平成20年12月7日(日)

4.開館時間 10:00 ? 17:00(入館は16:30まで)

5.休 館 日 月曜日・火曜日(※11月は毎日開館)

6.入 館 料 一般300円(250円)、小中学生150円(100円)
       ※( )は20名以上の団体料金です。
       ※金剛輪寺との共通券もあります。

7.主な展示資料(■は県指定文化財、▲は市指定文化財)
【古文書】
・金剛輪寺下倉米銭下用帳(金剛輪寺蔵)断簡6点
 :長享元年(1487)? 長享2年(1488)、天正年間(1532 ? 1555)に作成された金剛輪寺(下倉)の会計簿
【太鼓形酒筒(工芸品)】
・剣巴文太鼓形酒筒 金剛輪寺(愛荘町) 室町時代(15世紀初頭)
▲漆絵太鼓形酒筒 (福井県 舟津神社蔵) 應永23年(1416)銘記
・小形漆絵太鼓形酒筒 (福井県 舟津神社蔵)
▲三ツ巴文太鼓形酒筒 (兵庫県 津田天満神社藏) 嘉吉元年(1441)銘記
▲剣巴文太鼓形酒筒 (兵庫県 津田天満神社) 室町時代初期
■三ツ巴文太鼓形酒筒 (岡山県 遍明院) 室町時代
・剣巴文太鼓形酒筒 (岡山県 遍明院)
・剣巴文太鼓形酒筒 (広島県 大願寺) 桃山時代
【展示パネル】
・『北野天神縁起』巻第8巻第5段 北野天満宮蔵  〈国宝〉 
・『住吉物語絵巻』(部分) 東京国立博物館蔵  〈重要文化財〉 
・『一遍上人絵伝』巻第4第1段 清浄光寺蔵  〈国宝〉 
・『一遍上人絵伝』巻第7(部分) 東京国立博物館蔵 〈国宝〉 
・『春日権現験記絵』巻第13第5段 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
・『松崎天神縁起』巻第2第2段11紙 防府天満宮蔵 〈重要文化財〉 
・『石山寺縁起』巻第5第7紙 石山寺蔵 〈重要文化財〉 
・『慕帰絵詞』巻第6(部分) 西本願寺蔵 〈重要文化財〉 
・『福富草紙』上巻(部分) 春浦院蔵 〈重要文化財〉 
・『十界図屏風』左隻 第1扇・第2扇 當麻寺奥院蔵 〈重要文化財〉
・『山王霊験記絵巻』下巻(1・2) 和泉市久保惣記念美術館蔵 〈重要文化
財〉
・『古画類聚』(部分) 東京国立博物館蔵
・『十二類絵巻』(模本)上巻 東京国立博物館蔵
・『十二類絵詞』(模本) 東京国立博物館蔵
・『天狗草紙』上巻(模本) 東京国立博物館蔵
・『百鬼夜行図』(異本)(模本) 東京国立博物館蔵
・『芦引絵』巻第1 第37紙 (財)逸翁美術館蔵 〈重要文化財〉

8.関連行事
  ギャラリーレクチャー
  開催日  平成20年11月3日(月・祝) 午後13:30より
  演 題 「宴の大酒器・中世の太鼓樽」
       ?金剛輪寺伝来の漆塗剣巴文酒筒をめぐって?
  講 師 河田 貞 氏(前 帝塚山大学大学院 教授)
  会 場 歴史文化博物館 企画展示室
  定 員 40名(要事前連絡)

9.アクセス ■□電車でお越しの場合□■
       ○JR琵琶湖線(東海道本線)稲枝駅から
        彦根観光バス 蚊野線 「金剛輪寺」下車
       ○近江鉄道豊郷駅から彦根観光バス 蚊野線
        「金剛輪寺」下車
       ■□車でお越しの場合□■
       ○名神八日市インターより車で20分
       ○名神彦根インターより車で15分

10.問い合わせ先  愛荘町立歴史文化博物館
          〒529-1202 滋賀県愛知郡愛荘町松尾寺878
          Tel.0749(37)4500 Fax.0749(37)4520
       http://www.town.aisho.shiga.jp/rekibun/index.htm
→【観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―】


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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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