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展覧会・文化財を見てきました(2008年11月2日)

栗東歴史民俗博物館
特別展 創造と継承―寺院復興―
(11月1日?12月7日)
 現在に伝わる信仰の所産が、寺院の復興という形でつながり、あるいは新たに生み出されたことの意義に注目し、縁起、仏像、肖像を多数集める。東方山安養寺の薬師如来坐像(重文)は、13世紀第2四半世紀の造像。湛慶のごく周辺の仏師と見られ、半丈六の大きさながら完成度の高い洗練された作行。ほか彫刻では、今年年輪年代法で用材の伐採年が判明した善勝寺千手観音立像(重文)や、同じく善勝寺の薬師如来坐像(重文)、日光菩薩・月光菩薩立像、建久7年(1196)作の来迎寺阿弥陀如来坐像(重文)など。仏画では平安仏画の浄厳院阿弥陀聖衆来迎図(重文)など。墨跡では正明寺の即非如一による寺号額字や、来迎寺の独吼性獅による寺号額字といった、黄檗僧の作品は雄渾かつ清新で心動かされる。資料と対峙する際、造られた時代のみに絞ってコンテクストから切り取るのではなく、伝来の過程を等価値で評価しようとする本展の試みに強く共感を覚える。図録あり(116頁・1000円)。

滋賀県立安土城考古博物館
特別展 天下人を祀る―神になった信長・秀吉・家康―
(10月11日?11月16日)
 死後、神として祀られた戦国武将の特異性に注目。金の使用・不使用で神と俗人の差異を表するとして、神としての信長・秀吉・家康を描いた画像を多数集める。仏画では浄厳院山王権現像(重文)。桃山?江戸初期の神像研究が今後進められる上において、目配りが必要なジャンル。図録あり(100頁・1500円)。

愛荘町立歴史文化博物館
秋季展示会 太鼓形の酒器―金剛輪寺の太鼓樽―
(10月18日?12月7日)
 金剛輪寺で新たに見つかった中世の太鼓樽(太鼓形酒筒)を紹介する。関連資料として全国の中世太鼓樽も集める(福井県舟津神社、兵庫県津田天満神社、岡山県遍明院、広島県大願寺)。太鼓樽を集約する初めての機会かもしれない。図録あり(20頁・1000円)。

【観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―】


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[C40] 木食応其展

木食応其展に行って来ました。期待を上回る内容であり、テーマ毎に分かり易く展示してありました。国宝は全て高野山霊宝館他で既に見ておりますが、博物館で美しく展示してあるのを拝観するのも又良いものです。和歌山の国宝も残す所、正智院・宝寿院の文館詞林、慈尊院の弥勒仏坐像、鞆淵八幡神社の御輿と四つになりました。このような展示があればいいな~などと、手前勝手な期待をしております(笑)。
  • 2008-11-03 07:57
  • AKIO
  • URL
  • 編集

[C41]

AKIO様
ご来館いただきありがとうございました。
またお褒めの言葉をいただき、重ねてお礼申し上げます。
文館詞林は霊宝館での出陳の機会があると思いますが、慈尊院の弥勒仏は次のご開帳までまだ間がありますね(十数年だったかもしれません)。鞆淵八幡神社の御輿は平成13年に展示しましたが、大変でした…(作業量もお金も)。ご期待に添えそうもなく…m(_ _)m。国宝巡りも、なかなか大変そうですね。


  • 2008-11-03 22:15
  • ookouchi tomoyuki
  • URL
  • 編集

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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