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「ところで、学芸員、本気で目指している?」

 博物館経営論講義(帝塚山大学)のアンケート2009年度第7回目、「ところで、学芸員、本気でめざしている?専門分野は?」。

○目指している→13人 目指していない→11人

○目指している派(専門分野)
・この道を目指したきっかけが「日本刀展」なので私もそういったジャンルでやっていきたいです。
・作家・小説家を扱った文学館や作家の生の原稿用紙を展示していたりする博物館。
・なれるなら美術館関係の学芸員になりたい。
・美術館で学芸員としてやっていきたいと思っています。
・美術も好きだけど、博物館の学芸員になれるもんならなってみようと考えています(ゼミが民俗なので民俗分野で!)
・本校(帝塚山大学)の博物館のような考古を研究できる博物館がいいです。
・まわりの人からこの人がいる博物館に行きたいと思われるような学芸員になりたいです。時代としては戦国関係の博物館。
・民俗学系。
・元々資料館でのアルバイト経験からなんですが、今は民俗学関係の方面で考えています。
・歴史関係の仕事をしたい。欲を言えばその中にある真理まで分かるようになりたい。
・歴史関係の博物館がいいです。
・歴史系の学芸員になりたい。さらに詳しく言えば時代は中世に興味を持っている。
・歴史系の博物館の学芸員をやりたい。

○目指していない派(理由)
・学芸員がどのような仕事なのかまだ理解している部分が足りないので。
・学芸員資格過程で学べることを学びたいと思ったので取っています。
・将来は他の道を考えていますが興味があるので受けました。
・せっかく資格が取れる学部にいるのだからということで取ろうと思った。
・取れる資格をとろうと考え取りました。
・本気でなりたいとは思っていません。なれたらいいなとは思いますが、なるのはとても難しそうです。
・やってみたいとは思うけれど、職業をこれだけにしぼるのはまだ決めかねます。
・やりたいことがたくさんあるので、まだよくわからない。仕事に就けるのであれば美術をやりたい。

 学芸員資格を取るのは難しいわけではありません。そんなにコマ数も多くないし、大学でつつがなく講義を受けていれば、まず取れます。そこでちょっと気になっていたので、どれほどの受講生が本気で学芸員である自分を未来像としてもっているのか、聞いてみました。なろうとは思っていなくても全く構わないことを伝えた上で。結果、上記のように半々ということのようです。目指している人のさらに半数が夢、もう半数が少し本気、という感じでしょうか。
 現状の資格課程が実体として即戦力を養成するものでないために、今般の博物館法の改正に伴って、より高度な資格課程とするべく現行12単位から19単位へ単位数が引き上げられました(運用は3年後から)。ま、ひやかしで取るのはちょっとしんどいな、というコマ数とはいえそうですが、教職過程と両方とるのはかなりしんどそうです。
 今回のアンケートを考えるに、単位数増でより高度な知識をもつ学芸員養成を図るという方向性に異論はありませんが、学芸員志望者が半分である現状からは、現場的には(結果としての)博物館・美術館の理解者・支援者養成という側面にも一定の意味を見いだしたい所です。

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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