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「博物館・美術館で感動したことはありますか?」

 博物館経営論講義(帝塚山大学)のアンケート2009年度第8回目、「博物館・美術館で感動したことはありますか?」。回答50音順です。

■ある 22人 ■ない 4人

【感動したシチュエーション】
・鑑真和上展の鑑真像を見たとき、そのおだやかな表情に感動した。
・鑑真和上展を見に行く前に仏像ガールと呼ばれる人の仏像に対する“おもしろいもの”(歴史的なものだけじゃない)という概念に触れ、展覧会を訪れた時。
・高野山が世界遺産に登録された記念に、高野山の秘仏公開を見に行って感動した。
・今年、岡山であった吉村作治のエジプト展を見に行った時に、発掘のレポートを出してありましたが、アレはすごかったです。
・雑誌や本で何度も見ていたものを実際目にしたときは感動しました。スペースに余裕のある展示だったので、人の流れをきにせずじっくり見られたのも感動の一因だったと思います。
・自然光を取り入れている博物館で、作品本来の見せ方を考えて展示している見せ方に感動したことがある。
・正倉院展で展示されていたとても小さな飾り(?)が魚や鳥の形になっていて、こんなに小さいのに更に細かく装飾しているのはスゴイなぁと単純に感動した。
・正倉院に行った時に見たある展示品がすごくきれいで感動した。
・ずっと生で見たかった展示物や作品を見るときはいつも感動しますが、その展覧会の内容が予想以上に充実していると心がふるえます。
・先日の鑑真和上展でいつもはお厨子におられる和上が、ガラスケースの中でライトアップされているのをみて、いつもと違うのを見て感動した。
・千年も前に造られた作品が現代にも残っているという事実を知ったときに感動しました。
・展示の仕方に。光のあて方など、人によって見せたい部分の違いを感じられたように思う。
・展覧会を見に行って興味のある展示品がたくさん展示しているとき。
・何かの展示を見て、子どもながらにすげーと感動したこともあるし、人が造ったものとは思えないほど、感性豊かで一瞬で心奪われたこともあります。
・奈良国立博物館で大きな明王図を見たとき、その迫力に圧倒された。刀や小さな細工物を見るとその美しさや、これが人の手で造られた思うと作者はすごいと思った。
・日本刀展で名刀といわれるものたちを見たとき。何かの展覧会で青磁器を見たとき。神戸のエジプト展に行った時。
・幕末が好きで維新志士や新撰組の遺品や刀を見たとき感動した。それを見た時、頭の中に映像が流れた。
・博物館で自分の好きな時代の歴史上の人物の手紙や使っていた物を見たとき、よく残っていたなと感じた。
・美術館で美しい絵を見た時(タイトル・作者は覚えていない)。非常に美しいと思った。
・「フェルメール展」で青いターバンの少女を見た時、写真で見るよりも実物を見た方がそのものの良さが一番分かるんだ、と思いました。
・普通には見れないものを実際に生で近くで見たとき。
・仏像など普通の展示の仕方では前面からしか見られませんが、前にある博物館に見に行った時、横も後ろも余す所なく見ることができたのは感動しました。
・ラッセンの絵画展を初めて見た時、ラッセンの絵の世界観に感動したことがあります。

 8割方の人が、博物館・美術館で「心が動いた」経験をしていることがわかります。ミュージアムが利用者にとってかけがえのないものになるには、「心を動かす」場となることが重要でしょう。ディズニーランドが、リピーターにとってのかけがえのない場であるように。
 また、多くの人が、モノそのものが持つ「すばらしさ」に心を動かされているようです。かといってモノにおんぶに抱っこではいけないでしょう。近年の動向は、「大仏商売(目の引くえーもんあったらお客さんきまっしゃろ)」で、かつ「文化財の消費(人とお金集めるには商品がいりまんのや。そんな簡単に商品傷物にしまへんさかい、よろしいですやろ)」という方向にあるようで(なぜ大阪の悪徳商人風なのかは謎)、不安もあります。
 博物館活動の基本(動力源)は、資料の収集・保存と調査研究。モノを守る最後の砦はそういった活動を行う専門家の良心ですが、その安全弁が常に発動されるとは限りません。先に記事にもしましたが、博物館・美術館職員の倫理規定は、そこで働く人々を縛るものではなく、モノを守りミュージアムを守る専門職員の後ろ支えとして機能するもののような気がします。博物館・美術館の現場で、さまざまな価値観が揺さぶられている現在だからこそ必要なもののようにも思われます。

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コメント

[C55]

アンケートの中に仏像ガールさんのお名前を拝見しましたので、そのプログに紹介コメントを入れておきました。
仏像ガールさんは関東在住ですが、奈良博を始めとする関西各地で度々公演やトークショーに出ておられる人気者です。
紀三井寺や熊野三山も最近行かれておられますので、和歌山博でのトークショーというのもいいかもしれませんね(飽くまでも勝手な私見ですが)。
  • 2009-06-17 20:50
  • AKIO
  • URL
  • 編集

[C56]

こんばんは。
仏像ガールさんのお名前はうかがっていたのですが、ウェブサイトは未見でした。仏像を求めてドキドキしながらお寺を目指す様子、共感しながらいくつかの記事を拝見したところです。
当方も見習って、もう少し軽やかで臨場感ある文体を目指します(^o^)。


  • 2009-06-17 22:18
  • tomoyuki ookouchi
  • URL
  • 編集

[C61]

自然光展示に感動したとか、こういう意見がまかり通るというのは、非常に問題だな。このような学生には文化財保存の基礎をたたき込んだほうがよろしい。(日本に現存する浮世絵の大半がなぜあそこまで退色しているのかもふくめて啓蒙する必要有り)
  • 2009-06-28 23:51
  • とおりすがり
  • URL
  • 編集

[C62]

展示における調光は、おっしゃるとおりとても大事な問題です。なお、大阪市立東洋陶磁美術館でのエピソードだそうです。
  • 2009-06-29 06:18
  • tomoyuki ookouchi
  • URL
  • 編集

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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