観仏三昧的生活のこぼれ話とミュージアムや文化財に関するトピックス。
稲本泰生「古代の人々は阿修羅の眼差しに何を見たか」(稲本泰生監修『国宝の美01 彫刻1 天平の脱活乾漆像』所収、朝日新聞社、2009年8月)「釈迦像を中心とする諸尊に対する働きかけ(懺悔など)が成就すれば、実在する釈迦が応え、この場が真の釈迦説法の場に転ずる」という信仰に支えられている。西金堂で懺悔を行った者たちは、響き渡る金鼓の音の中で覚醒し、それを体感したことであろう。(中略)現代人の甘い感傷だけでは決して本質に迫り得ない、深い宗教的な意味づけがそこになされていたことを、私たちは忘れてはなるまい。(稲本2009、15頁)
Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。
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