奈良国立博物館聖地寧波 日本仏教1300年の源流―すべてはここからやって来た―
(7月18日?8月30日)
再訪。といっても、担当特別展の展示資料の借用が用件。作業をすませて、30分だけトラックに待っててもらって、駆け足で一巡り。 法恩寺菩薩坐像を目に焼き付ける。あの抑揚のないブロックのような体型を積極的に評価する観点が必要なのだろうと思う。信仰対象にリアルは必須条件ではない。と考えたとたん、興国寺の法燈国師像の生動感あるその表情にはっとする。展示される文脈で、こんなにすごい絵だったのかと気づくことができる。日々勉強です。しかし南宋彫刻と頂相画の間に隔たる溝はなんでしょう。
美術史は、まだまだ可能性がある研究分野だと思う。切り捨てている部分がとても多いから。研究者は、あらゆる文脈から、作品と対峙せねばならない。自らのものさしを、常に相対化して置き換える苦しみを科しながら。いいものをいいというのが研究ではない。いわねばならないことをいうために、自分が何をいわねばならないのかを自覚するための営みこそが、研究だと思う。
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世界遺産登録5周年記念特別展「熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―」 【観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ 】
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