滋賀県立琵琶湖文化館の休館問題については、本ブログでも先に紹介しておりました。ぼやぼやしているうちに、その後の動きがあったことに気づいておりませんでした。
嘉田由紀子滋賀県知事が設置した県行政経営改革委員会は8月に、いくつかの団体と施設の廃止を提言していました。廃止するべきとした施設は、滋賀会館、しが県民芸術創造館、県民交流センター、水環境科学館、虎御前山教育キャンプ場、アーチェリー場、そして琵琶湖文化館。
ちなみに移管・売却する施設はきゃんせの森、朽木いきものふれあいの里センター、三島池ビジターセンター、日野渓園、安土荘、長浜荘、さつき荘、きぬがさ荘、福良荘、醒ケ井養鱒場、奥びわスポーツの森、荒神山少年自然の家、栗東体育館、柳が崎ヨットハーバー、伊吹運動場、比良山岳センター、ライフル射撃場。
→参考:
毎日JP9月15日記事 直営館を指定管理者に運営を任せたとたんの休館、そして直後になんの前向きな検討もせずに廃館を行革委員会に言わせるとは。しかも他の廃止施設や売却施設も、社会教育関連のものばかり。政治力をもたない切りやすいところを切っているのだろうと、正直思います。
迷走ともとれる滋賀県の行政改革、貧すれば鈍するとはこのことでしょうか。よい博物館活動は、地域の魅力を掘り起こしてコミュニティーの地力を底上げします。施設がなくなれば専門的職員もいなくなります。滋賀県が築いてきた文化財を通じた地域と関わる接点は、失われるということです。
問題は、博物館を守っていく推進力となるべき存在が行政の中にさえないことかもしれません。もはや、美術館・博物館は、その必要性を「誰か」が分かってくれているなどという幻想を捨てなければいけません。自らが存在する意義は、自らが声を大にしてアピールするほかありません。
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