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展覧会・文化財を見てきました(2009年10月24日)

MIHO MUSEUM
特別展 若冲ワンダーランド
(9月1日?12月13日)
 新規収蔵した、象と鯨図屏風のお披露目展。想像以上に大きい。展示している空間も、余白を単調にせず、視点をやや高めに設定して、「特別なもの」という印象をアピールする上手な作り方。ほかにも、円山応挙の驟雨江村図などいくつかの資料で、わざと暗くやや黄色い照明を設定しているのも、かつての鑑賞環境を再現しようとする思い切った演出のよう。鳥獣花木図屏風も、細部までしっかり鑑賞できた。会場にはこの鳥獣花木図屏風の所有者ジョウ・プライス氏の姿や、現代アートの旗手・村上隆氏の姿が見え、随分濃密だなあと思っていると、この日は監修の辻維雄氏・狩野博幸氏らによる講演会がある日とのこと。どうりで来館者も多いはず。図録あり(368頁・3000円)。

大津市歴史博物館
特別展 湖都大津 社寺の名宝―大津の仏像・神像入門―
(10月10日?11月23日)
 大津市内の七寺社で構成され、観光面での連携をはかる湖信会結成50周年事業。あえて各寺社の名宝を寺院別に並べるという手法はとらず、仏像を尊像別に配した仏教美術入門ともいうべき展示構成をとる。後援する湖信会側のアピールという目的と、仏教美術展を頻繁に開催する同館の戦略的側面をうまくリンクさせる。たまたま会場で山本勉さん、谷貴之さん、本展担当の寺島典人さんに出会えたので、意見交換。園城寺の訶梨帝母像(重要文化財・鎌倉時代)の抱く子の身振りについて山本さんよりご教示いただく(訶梨帝母の鬢髪をもてあそぶ)。目から鱗。像自体の見え方が変わった。同寺所蔵の愛子像(重要文化財)もセット関係にあることも初めて知る。かたちが持つ意味・意図を引き出すことで得られる新鮮な感動を味わい、博物館・美術館の役割を改めて認識する。翻訳者なのだと。図録あり(144頁・1200円)。

観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ
-全国の展覧会や仏像の公開情報が満載!-

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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