本ブログで、定点観測的に触れてきている琵琶湖文化館については、先に平成21年8月21日滋賀県行政経営改革委員会による「外郭団体および公の施設の見直しに関する提言」で廃館と提言されていましたが、それをもとに滋賀県が平成21年12月に策定した「外郭団体および公の施設見直し計画」が提示されていました。文化館に関する内容は以下の通り。
琵琶湖文化館見直し方針
建設後半世紀経過し、収蔵庫・展示室も手狭となっていますが、増改築が困難であり、新たな収蔵品の収集、保管、展示に影響を与えるため、現施設の機能は廃止します。別の展示保存施設の確保に努めますが、確保までの間、休館中の現施設において保管を継続します。
具体的取組内容
? 当分の間、現施設において保管を継続するとともに、収蔵品の活用を図るため、他の博物館等で展示等を行います。
? 別の展示保存施設が確保できるまでの間、現施設の継続利用の適否について検討するため、必要な対応を行います。
? 琵琶湖文化館が果たしている機能を継承するため、別の展示保存施設確保のため基本的な考え方を整理し、財政状況等を踏まえながら、平成24 年度までに検討を終えます。
確実に決まったことは、現施設の改修等は行わず廃止。ただしそれは湖中にそびえるという立地環境から増改築困難であり、「新たな収蔵品の収集、保管、展示に影響を与える」ため、となりました。「新たな」活動のために廃止、というのは前進、と捉えられそうです。
そして「別の展示保存施設確保のため基本的な考え方」を「平成24年度までに検討を終えます」とのことで、平成24年3月31日までに、次の方向性が提示されるということ。こちらも新施設確保を前提としていて、やや前進。
博物館としての琵琶湖文化館は、まだ当分は満身創痍で片翼飛行ですが、でもミュージアムを残すことの重要性がだんだん共有化されてきているのだとすれば、希望がもてる途中経過です。それにしても、文化館としての展示施設の実現は、まだまだ遙か先の霧の中、です。私の職場でも荒波がやってくる予感。気持ちを充実させて難局に対処していかねば。
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人通りの少ない大津駅前を歩きながら、結局、地域社会が元気にならないと、博物館ばかりを守ろうとしても駄目なのかなあ、ということも考えました。