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展覧会・文化財を見てきました(2010年5月9日)

諏訪大社下社秋宮
 前日、午後からの展示解説を終えて館を飛び出し、7年に一度の諏訪大社御柱祭で賑わう諏訪へと向かう。6時間かかって夜分遅く宿に着き、朝は下社秋宮へ。各所で交通封鎖され、迷いながら市中の駐車場へ車をとめ、神社まで歩く。事前のリサーチ不足で、その前日に御柱が建てられていたのは春宮で、秋宮は10日に建てる由。ただ参道や境内では朝から大規模なパレードや芸能の奉納がなされていて賑やか。前日、春宮御柱を立てる際に事故があって死亡者もでたことは、後になって知る。8日、諏訪入りした午後10時ごろになっても、多数の氏子が神社付近を歩いていたが、これは事故によってスケジュールがずれこんだためであったもよう。
 子の要望で、参道の諏訪湖オルゴール博物館奏鳴館に立ち寄り、展示された古いオルゴールを眺める。要人来訪とやらで、たまたま実物の演奏が行われ始めたので、再入場しいくつかを聞く。ラッキー。
諏訪御柱祭奴振り 参道で披露されていた奴振り

サンリツ服部美術館
・特別展 祈りの時代 仏さまの美術―諏訪市の文化財を中心に―
(4月17日?5月16日)
 諏訪市内の仏教美術の優品を一望に展観する初めての展覧会。佛法紹隆寺の不動明王立像は、像高42.0センチの小像ながら、鎌倉時代初期の慶派仏師の手になる優れた1躯。X線撮影で像内に月輪形銘札の存在が確認されており、運慶作とする見解がある。確かに晩年期運慶の作風の範疇にあることを実感する(実作者が誰かは別問題)。かつて諏訪大社上社神宮寺普賢堂に安置されていた、善光寺の不動明王立像、毘沙門天立像は、それぞれ鎌倉時代末頃の造像で、等身をすこし超える大きさで迫力がある。貞松院不動明王立像・毘沙門天立像も鎌倉時代前期の慶派の作。諏訪の鎌倉時代彫刻の水準の高さを知ることができ、有益。また明治の神仏分離で移動した仏像の追跡がある程度できることも確認し、個人的に興味深い。仏画では甲立寺不動明王二童子像が、鎌倉時代の優品。教念寺羅漢像二幅も類例の少ない十六羅漢像の古例(重文)。図録あり(72ページ、1900円)。

諏訪高島城天守閣
 横を通ったので立ち寄っておく。昭和45年再建の天守内は、展示施設となっている。古文書、鎧など。パネル展示で「戦国時代の諏訪」を開催中。同名の図録(12ページ・100円)購入。

諏訪市博物館
・企画展 諏訪信仰と御柱祭―御柱を支え続けた人々の時代絵巻―
(3月16日?6月20日)
 御柱祭にあわせた展示。御柱祭関連の資料は、案外少ないのか、展示資料に苦労している雰囲気。古文書は別紙で全て釈文がつくが、美術工芸の資料はあっさり。目玉は諏訪社遊楽図屏風で、江戸時代前期頃に描かれた諏訪社上社・下社の景観図(個人蔵)。景観年代は不明。大祝家など諏訪社の支配構造を初めて知り、新鮮な興味を抱く。企画展図録はないが、過去に発行された『諏訪社遊楽図屏風』(1000円)を購入。常設展示には上社神宮寺旧蔵の五智如来坐像(四仏は江戸時代初期)を展示。

諏訪大社上社本宮
 博物館からてくてく歩いて、上社本宮へ。御柱の大きさを実感。社殿(重文)参拝し、境内の宝物殿も覗いておく。上社本宮脇には、旧神宮寺である法華寺があるが、近年の放火による火災で鎌倉時代後期造像の本尊釈迦三尊像は焼失している。残念。上社本宮神域内にあった法華経を収めた鉄塔は、市内温泉寺に現存。諏訪社の中世史は、かなりおもしろそう。後ろ髪ひかれながら、帰途につく。
御柱祭上社本宮御柱 諏訪大社上社本宮御柱

観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ
-全国の展覧会や仏像の公開情報が満載!-

和歌山県立博物館
特別展 移動する仏像 ―有田川町の重要文化財を中心に― 2010年4月24日?6月6日
【移動する仏像展日誌】


 
 

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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