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「こんな博物館はいやだ!」

 博物館経営論(帝塚山大学)アンケート、2010年度4回目。よりよい博物館・美術館への第一歩は、現状認識から。ということでダメなところを教えてもらいます。

■こんな博物館はいやだ!(回答50音順)
・明かりではなく、雰囲気が暗いところ。
・江戸時代の鬼瓦が展示してあり、下から見上げた時の目が特徴的でおもしろいと展示の説明にも書いてあるのに、地べたに鬼瓦が立てかけて展示されていた。手を触れてはいけないし、写真をとってもいけない。寝ころんで見ろということか…。
・学芸員がおおざっぱな博物館。
・ガラスケースに指紋や脂がベタベタついている博物館。
・暗すぎる博物館。
・さわがしい博物館。子ども向けの所は別として、無駄にうるさいと気になります。
・施設自体がきたない。案内図・順路がわかりにくい。
・正倉院展の時にお客さんが多すぎて展示が見られなかった。順路が分かりにくい博物館の展示の仕方はいやだ。
・図録や入館料が高いところ。やっぱりいろんな人に見てもらいたいから、少しでも安くして欲しい。
・電球が切れていた。トイレがみつからない、ありえないくらい狭い。建物自体が迷路のようになっている。階段しかない。歩くと床からギシギシと音がする。
・展示物が少なすぎる博物館。トイレが一つしかない博物館。
・展示物が見えにくい、扱われ方がひどいのはいやだ。
・展示物の照明が暗くて見えにくい博物館。
・展示物の説明に不足がある。
・トイレが汚れている。狭すぎる。異臭がする。
・トイレの設備が悪い(分かりづらい市にある、暗い、バリアフリーでないなど)。
・トイレの場所が少ない。エントランスがうす暗い。展示のテーマがわかりにくい。
・とても混んでいて、中の係員に「次はこちらへどうぞ」とうながされること。ゆっくりみることができない。
・博物館の展覧会で音声ガイドがあるのですが、一つの説明を聞くのにそこで人がたまってしまう部分をよくみかけます。音声ガイドを借りない人の迷惑になるので考えて欲しい(特に小さい博物館や狭い所で)。
・入るのに2時間待ち(しかも炎天下)。中に入っても人だらけで何も見えず、大きな声で間違った解説をしている集団と同じペースで歩くことになると、おとなしく家で図録を見ていればよかったかも…と思いました。
・ミイラ・人骨などの展示の仕方が無神経な博物館。あと、学芸員がずっと見あたらないなど…。
・利用者に対して放置的。
・利用者の質問に対して消極的に答える学芸員。

 不満の方向性は大きく2つ。利用者を迎える環境が(ハード・ソフト両面で)整っていないことと、大規模な展覧会で待ち時間が長大化し鑑賞も満足にはできないこと。どちらの場合も要するに、施設の都合が先に立っている、といえるでしょう。
 現状の博物館・美術館経営の多くは、施設・組織の維持のため、入館者数の増加にともなう歳入の増大、あるいは経費の節減による収支改善のどちらか(あるいは両方)によって、施設の利益が最大化するという想定に基づいて行われている傾向があります。上記の問題点には、この二つの方針に起因するものが結構あります。しかし博物館法のどこにも、ユネスコの「博物館をあらゆる人に開放する最も有効な方法に関する勧告」のどこにも、この2つ(歳入増加・収支改善)が博物館にとっての利益であるとは書いていません。当たり前かもしれませんが、もう一度おおもとの理念と現状の距離を振り返って測ってみる必要があるように思います(自戒を込めて)。まずは利用者へのホスピタリティだと思います。

観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ
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和歌山県立博物館
特別展 移動する仏像 ―有田川町の重要文化財を中心に― 2010年4月24日?6月6日
【移動する仏像展日誌】

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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