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「私が考える学芸員の職業倫理規定」

 博物館経営論(帝塚山大学)アンケート、2010年度7回目。ICOM(国際博物館会議)の職業倫理規定を学習してもらったので、日本の博物館業界ではまだ構築されていない、博物館・美術館の職業倫理規定をお題にしてみました。

■「私が考える学芸員の職業倫理規定」
□利用者のために
・お客さんに質問されたら、誠意ある対応を行い、親身に答えること。
・自分たちの博物館のことだけを考えるのではなく、来る人の立場にたって考えられること。
・すべての利用者には作品について質問する権利があるので、学芸員は嫌な顔せず答えるべき。対人関係の持ち方も学芸員は学ばなければならない。
・積極的に来館者に説明をして、少しでも知識を深めてもらう。
・博物館についての質問に答えられなければならない。
・人によりさまざまな価値は一定でなく、固定観念も共通していないと自覚する。
・利用者の要望に応えるべきであるが無理のないようにする。

□専門職員としてのこころがまえ
・当たり前のことを、普通に行えること。
・客観的に行動できること。
・職業内容に対して怠惰ではいけない。
・職務を全うしなければならない。
・所蔵品を傷つけないこと。
・自分の研究目的だけでなく、その研究の結果を博物館という場を使って知ってもらうべきである。
・自分の知識を一般の人々に快く伝え教えるべき。
・専門的な知識だけでなく、安心して展示品を任せられる人であることが大事。
・正しい価値を見定め、一つの物に対する情報を詳しく提示し、学芸員という職業の名に恥じぬ行動をする。
・探求心を忘れてはならない。
・常に学ぶ姿勢を忘れず、人に、モノに対して謙虚であること。
・展示を適当に構成してはいけない。
・展覧会の内容が他の博物館と似てしまうことはあるかもしれないが(テーマによっては同じ資料しか出陳できないこともあるかと思うので)、展示の方法や構成など学芸員の工夫で違いを出せる部分については、他の博物館のまねをしていてはいけない。
・博物館の外に出て、いろんな場所を見に行くべき。
・保存・研究だけで終わることなく、展示を見る側に配慮すること。
・自らが携わる業務に情熱と客観的視点をもって臨むこと。

□博物館の基本的活動
・資料の収集・保管・研究に努める。
・プライバシーを守る。
・情報の保護を行い、管理する。
・法的な決まりを守る。

番外編
・自分が掘った遺跡の報告書は調査責任者が責任をもって報告すること。

 「常に学ぶ姿勢を忘れず、人に、モノに対して謙虚であること。」って、いい感じですね。学芸員という立場は、人に対して、モノに対して、さまざまな形で大きな影響を及ぼしうる位置にあります。倫理規定は、学芸員を縛るものではなく、学芸員を守るために、やはり必要であろうと改めて思います。やるとすれば日博協でまとめるしかないだろうなー。

観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ
-全国の展覧会や仏像の公開情報が満載!-

和歌山県立博物館
特別展 移動する仏像 ―有田川町の重要文化財を中心に― 2010年4月24日?6月6日
【移動する仏像展日誌】


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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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