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「博物館・美術館が役立ったことはありますか?」

 博物館経営論(帝塚山大学)のアンケート、12回目。「社会とリンクする博物館」という内容で講義を行い、「具体的に利用者をイメージして、ミュージアムが何のために役立つのかを考える。社会との接点に敏感に。調査・研究・展示が(学芸員の)自己目的化してはいけない」と話しました。
 ただ、「役立つ」の定義次第ではいろんなニュアンスを含みうる文章です。役立たないミュージアムはつぶしてしまえ!なんて議論の「役立つ」は、すでにマイナスのバイアスがかかっています。
 そこでためしに受講生に、ミュージアムが役立った経験があるか尋ねてみました。

■博物館・美術館が役立ったことはありますか?(回答50音順)
・今まで知ることのなかったことを知ることができた。
・幼い頃見た恐竜の骨格標本が、今、自分が目指すものになった。
・関心がさらに高まった。
・実際に作品を見ることによって、質感、大きさなどのイメージが捉えやすくなり、講義で紹介されたとき頭の中にすんなりと入ってくる。
・授業や会話の中で、博物館で見たことのあるものが出てくると、理解の役に立ったと思えます。
・自分が興味を持った展覧会があったので実際に見に行ったら、ますます興味を持ち、知識を得た。
・自分の価値観を覆してくれる。
・自分の興味あるものに接し(見る・触れる)、満足感を得た。
・自分の知らなかった作品を見て、自分の中でまた一つ知識を得られた。
・知りたかった戦国時代の知識がよくわかった。
・少し知的になった気がして家に帰れる。
・小さい頃から両親がよく博物館・美術館に連れて行ってくれたので、博物館や美術館で見た作品が教科書等にでると、実物を胸を張って言えること。あとは、大人になってから作品を見直すとものの見方が変わっていった。
・知的欲求が満たされた(2人)。
・中高の授業などで取り上げられた作品で、大まかな部分でしかその作品の知識がなかった時に、実際に展覧会でみることで授業で得られなかった情報が得られた時。
・TVで出てきた作品について家族に聞かれた時、説明できた。
・なんとなく付き添いで見に行った展覧会(確か昆虫の展覧会)に出ていたものが、のちのち別の授業で書かなければならないレポートの材料になった。
・博物館で、資料集などで写真が掲載されている実物を見て、より歴史が身近に感じられた。
・博物館でホンモノを見たことがあると、テレビなどで紹介されているのを見たとき、より楽しめる。同じものを見に来た人と仲良くなれることがある。
・美術館で見た美術品が偶然授業で説明された。
・美術館に行って絵を見ると精神的にリフレッシュする。
・無難に楽しめるためスケジュールに入れやすい。

・特になし(2人)。

 知ることができたことに喜びを見いだし、「役立った」と思う機会が多いようです。
 ミュージアムは、「知」をストックし、翻訳し、研究し、提示し、活用し、展開し、連携していく拠点です。「知」のストックが「博物館行き」と呼ばれることがあったとしても、そのストックこそが次の展開を導きます。「博物館行き」ならぬ、「博物館発」の情報が生き生きとしたものであるために、学芸員(及び専門職員)が果たす役割はますます重要になってきます。

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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