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みなべの仏像、そして明恵

 7月23日、午後から梅で有名なみなべ町へ。南部公民館主催の南部長寿大学で仏像のお話をし(「きのくにの仏像―みなべ町の仏像と地域の歴史」)、高速道路にのって帰路に着くも、夏休み中は白浜からの帰りの車で大渋滞。一般道で迂回するついでに、久しぶりに湯浅町の施無畏寺の横を通り、ええいせっかくだからと明恵上人の紀州八所遺跡のうち、西白上遺跡と東白上遺跡を訪問。
明恵上人西白上遺跡 西白上遺跡。ここからは鷹島や刈藻島、久礼島が眼下に望める。釈迦如来を父と仰いで思慕した明恵は、はるかインドとつながる海の水に洗われた鷹島の石を、釈迦の形見と思って拾い座右に置いた。現在高山寺に伝わるその鷹島石に明恵は「ワレ去リテ ノチニシノバム 人ナクハ 飛ビテ帰リネ 鷹島ノ石」と書いた。また苅藻島へは後に「島殿へ」と手紙を書いて送っている。 
明恵上人東白上遺跡 東白上遺跡。明恵はここで自らの耳の一部をきり、かたわらの仏眼仏母像(高山寺蔵)に「モロトモニ アハレトオホセ ワ仏ヨ キミヨリホカニシルヒトモナシ」と記した。
 多くの人が明恵に心惹かれるのは、その仏道(及び教学研究)を究めんとする真剣さ、純粋さに心打たれるからと思う。明恵が厳しい修行に打ち込んだその巌によじ登り、鷹島や刈藻島をはるかに望みながら、自らの心にその真剣さに共感する部分を確認して、山を下りる。
 明恵やその弟子喜海について、もっと勉強しないといけない。いつか展覧会も、開催してみたい。

観仏三昧 仏像と文化財の情報ページ
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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