奈良国立博物館・特別展 仏像修理100年
(7月21日?9月26日)
日本美術院による仏像修理の(約)100年史を、特色ある10数件の修理事例を取り上げて、濫觴期から現代までの活動の流れをさまざまな修理記録(図面、模型、手帳等々)と仏像で提示。伝統の墨守だけでも合理性の追求だけでもない、仏像ごとに異なる修理達成の理想形を、事例ごとに携わった人々が常に探り続けるなかで展開してきた「日本近現代彫刻修理史」の提示に努める。展示されている新納忠之助や西村公朝の調査ノートをみるだけでも、過去の修理時における作品のプロフィールに迫ることができ、興味深い。クスノキ・カヤ・ヒノキで作った仏像模型と木っ端を、子どもに匂いをかがせながら体験させる。図録あり(144頁、1000円)。
・なら仏像館 開幕記念 特別展 至宝の仏像 東大寺法華堂金剛力士像特別公開
(7月21日?9月26日)
法華堂金剛力士像の大迫力に、しばし見とれる。平安時代初期の歓喜寺阿弥陀如来坐像(超昇寺伝来)は初見。「本館」から「なら仏像館」への大きな変更点は照明コンセプトの変更とリニューアルで、全資料をスポットで陰影を強調する方針に変更。ケース内の小さなものは見づらいので、ケース内照明を補助的に用いてもよいのでは。図録あり(160頁、1000円)。
葛城市歴史博物館・企画展 當麻寺縁起絵巻?下巻?
(7月17日?8月16日)
当麻寺縁起絵巻(重文)のうち下巻を展示。三条西実隆詞書、土佐光茂・芝琳賢絵になる、室町時代後期の絵巻の優品。土佐光茂の絵も堅実だが、琳賢が描く練供養会式の光景は、仏画を得意とする南都絵所の面目躍如。人物の表情も若々しく眉目秀麗で、よく似た16世紀の仏画は散見される(東大寺縁起とか)。お練供で使われていた仮面も2点展示。室町時代とされるが、もう少し古い可能性もあり。図録なし。
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