観仏三昧的生活のこぼれ話とミュージアムや文化財に関するトピックス。
酒井昌一郎「十八夜観世音堂 菩薩立像の樹種同定結果をうけて」(『仙台市博物館調査研究報告』30、2010年3月)また、仙台では決して豊かではないはずのカヤ材が本像に用いられていることは、カヤを用材とする原則が本像に強く作用していたことを考えさせる。そうであるならば、本像とさほど離れない時期に制作されながら、ケヤキやカツラといった材が用いられた他の東北地方の作例と本像との関係性も考えなければならない。(酒井2010、34頁)
福江充「芦峅寺宿坊家の尾張国檀那場と三禅定(富士山・立山・白山)関係史料」(『富山県[立山博物館]研究紀要』17、2010年3月)筆者は三禅定の主体者を当初から在地の農民層と考え、富士御師や白山御師が同一地域で檀那場形成および勧進布教活動を行っていたところに、後に日光坊などの芦峅寺衆徒も新出して檀那場形成および勧進布教活動を行うようになり、ある程度、各霊山の山岳信仰が地域に受容され根付いたなかで、農民たちが当初は各霊山の御師の先達を得ながら三禅定を成立させていったものと考えている。」(福江2010、63-64頁)
Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。
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