平成22年の当方は、怒濤の展覧会ラッシュだった。
年初から、前の年の秋期特別展「熊野三山の至宝」(平成21年9月8日?10月18日)の開催中に急遽担当することになった春期特別展として、「移動する仏像―有田川町の重要文化財を中心に―」(4月24日?6月6日)を急ピッチで準備し開催。その会期中から、特別展「京都・安楽寿院と紀州・?あらかわ?―木食応其を支えた僧・覚栄の事績を中心に―」(9月18日?11月7日)の準備をサポートして開催にこぎ着け、さらにそれと平行して企画展「「文化財」の基礎知識―緊急アピール・文化財の盗難多発中!―」(11月13日?1月10日)を準備し、開催。この企画展はマスコミ受けがよく、新聞・テレビ・ラジオの対応に追われながら、さらにこれらの展覧会と平行して多岐にわたる事業内容を春からずっと準備し続けてきたロビー展「仮面の世界へご招待―さわって学ぶ和歌祭―」(平成23年1月15日?2月27日)が目前(これがとにかく苦しい)。
その合間にはマイミュージアムギャラリーとして、「宝物は歓喜寺の屋根裏に」(4月17日?6月11日)、「鷹島の石―明恵上人の遺跡を訪ねて―」(6月12日?8月6日)、「息を吸い込んで“ターン”と。」(8月7日?10月1日)、「重箱に「こころ」を詰めて」(10月2日?11月19日)、「笠田高等女学校を思う」(11月20日?1月21日)を開催。
和歌山大学の学生による新編道成寺縁起作りも春から半年がかりで準備し、12月12日にお披露目にこぎ着けた(→
和歌山県博ブログ)。これもなかなか骨が折れた。講演会などでお話しする機会も合計17回と、過去最高。展示解説はもう、何十回か数え切れないくらい。図録1冊を編集し、資料紹介1編、新聞コラムなど雑文は量産したものの、きちんとした学術論文が書けていないのが残念。
年末に蕁麻疹が10日続き、また肩首の凝りからくる胃の不調と4日間の絶食で苦しんだが、このように列記すると、さもありなん、と自分でも思う。
新年は、正月早々に入院中だった祖母を亡くし、喪主としてばたばたと葬儀を行って、なんとか終えての帰り道。ちょうど奈良県御所市の吉祥草寺の横を通りかかったので、思い立ってお参り。

前回参拝した際には(
2009年7月6日記事)役行者像の拝観がかなわなかったが、今回は境内奥の写経道場が開いていて、そこに本尊として安置されている同像を拝む。今年、6月からの企画展で、葛城修験を取り上げるのでその祈願にと、読経。和歌山で仕事をしている以上は、修験をきちんと評価していかなければならない。半年で、自分をきっちりレベルアップさせたいと、若々しい風貌(珍しい)の等身大の役行者に相対する。今年もがんばろう。
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いつも拝見し、かつお世話になっております。先生の、年頭の決意のおごそかさに感じ入りました。どうか実り多い一年でありますように!