備忘のための読書記録、2011年1月分。学術論文は除く。発行年月日は初版のもの。
末木文美士『近世の仏教―華ひらく思想と文化―』(吉川弘文館、2010年7月) 近世仏教といえば「堕落」という古典的な見方からの転換をはかる。「堕落」は古代にも中世にもある。黄檗宗のインパクト、近世の戒律復興の意義。近世は儒教の時代ではなく仏教の時代だという主張は新鮮。
山折哲雄『ブッダは、なぜ子を捨てたか』(集英社新書351、2006年7月) 「四諦の原理を忘却するとき仏教は退廃の度を加え、逆にその原点に復帰するとき、仏教にルネサンスが訪れた」「インドの仏教が「無我の仏教」であるとすれば、日本の仏教は「無私の仏教」」。なるほど。
西牟田靖『僕の見た「大日本帝国」』(角川学芸出版、2010年7月) 左右のどちらにも振れていない現地ルポで情報を共有できるありがたさ。「「侵略」というたったひとことの言葉だけではくくることのできない、多様な、そして豊穣な現実が存在していた」(386ページ)。
熊平製作所『抜萃のつづり その七十』(熊平製作所、2011年1月) 毎回、泣きそうになるお話がいっぱい(T_T)。
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