備忘のための読書記録、2011年4月分。学術論文は除く。発行年月日は初版のもの。
小山聡子『護法童子信仰の研究』(自照社出版、2003年10月) 「童子信仰は、末法思想を歴史的な背景として隆盛に赴いた。本書で指摘したように、童子は、平安中期から末期にかけて、貴族だけではなく一般庶民によっても信仰されていたのである。」(211頁)
野本寛一『神と自然の景観論―信仰環境を読む』(講談社、2006年7月) 「かつて熊野川の吐出する土砂は河口に至り川と熊野灘とのせめぎ合いのなかで河口に砂丘状の砂嘴を形成した(中略)熊野速玉大社における原初の信仰の柱も、熊野川氾濫を鎮めることにあった。」(38・39頁)
西牟田靖『誰も国境を知らない―揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅』(情報センター出版局、2008年10月) 「ヒトとクニの歴史が戦争という出来事を契機に交差するとき、さらに否応なく政治が人を翻弄し蹂躙する。「国境の島」の歴史とは、そうして政治に翻弄され続けている歴史」(382頁)
山折哲雄『仏教民俗学』(講談社、1993年7月) 「「本物」主義は物自体を尊重する単独行であるのにたいして、「複製」主義は本来的に物と物との関係を重視する共同作業である」「物と物との関係というのは、あくまでも過去の再現をめざしているのであって、たんに物の再現を求めているのではない」(328頁)
スポンサーサイト
- http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/440-38c973b1
トラックバック
コメントの投稿