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展覧会・文化財を見てきました(6/16、京都の大学博物館他)

京都嵯峨芸術大学附属博物館
・重要無形民俗文化財嵯峨大念仏狂言展 面の世界
(5月31日~6月19日)
 嵯峨・清凉寺境内で行われる大念仏狂言で使用されてきた新旧約100面の仮面を一堂に公開。うち前近代のものは48面。中世仮面としては、享禄2年(1529)の伯蔵主は後補の彩色でやや茫洋とした印象だが、下層に古い彩色層が残る。天文18年(1549)銘の女面は素朴な表情だが、型にはまらない造形で、中世仮面らしい。桃山時代の「キヒヤウヱ」作銘の深井は、深井面としての完成形の型を踏襲。ほか、天下一友閑、出目満永の作面も若干。祖父(おおじ)や「供」の面、大念仏面など、独自の造形のものも。リーフレットあり。

佛教大学宗教文化ミュージアム
・特別展示 愛宕山をめぐる神と仏
(6月13日~7月9日)
 愛宕山の信仰を伝える文化財を展観。金蔵寺の勝軍地蔵騎馬像は、もと愛宕山の本尊で、近世初期ごろ作か。西林寺の太郎坊大権現倚像は高い鼻、羽根を生やした天狗の姿。慈眼寺の明智光秀坐像は目を吊り上げた厳しい風貌の肖像彫刻。ほか近世初期頃の愛宕山曼荼羅(勝軍地蔵、不動明王、毘沙門天、合掌する僧形像、役行者前後鬼などを配置)や、平安時代の仏像もいくつか。普段は出陳が難しい像が含まれ、いつもながら佛大ミュージアムの底力を感じる。珍しい近世彫刻を間近に見られるありがたさ。図録無し。

広隆寺
 脇を通ったので、立ち寄っておく。霊宝殿内の仏像群を、特に院政期のものと蔵王権現(か、どうかわからないが)と神像を中心に拝観。重要な仏像が多すぎる。講堂の阿弥陀・地蔵・虚空蔵も拝観。

龍谷ミュージアム
・龍谷ミュージアム開館記念・親鸞聖人750回大遠忌法要記念 釈尊と親鸞 第2期
(6月7日~7月24日)
 今年春に開館した龍谷ミュージアムをようやく訪問。釈迦と親鸞をテーマに、多数の資料を収集。横曽根門徒発願の可能性がある徳治二年(1307)茨城・円福寺阿弥陀三尊像や、本願寺大仏師の康雲作傳大士三尊像など仏像の出陳もバラエティーに富む。滋賀・妙安寺の木仏箱は、本尊が本山より下付される際の箱で、内箱には布団がいれられ、それを足つきの櫃にいれ、さらにながえのついた家型外容器に収める。そうかこういう大層なことをするのかと、おどろきの一点(地味だが)。会期は6期まであり、毎回展示資料は入れ替わり、また毎回図録を作成するとのことで、学芸部門のご苦労が偲ばれる。図録は、通期用の仏教の発生と伝来を通史的・トピックス的に押さえる本(200ページ、2500円)と、各期の作品図録(34ページ、750円、釈尊編・親鸞編のそれぞれ)。

大和文華館
・開館50周年記念特別企画展Ⅰ 信仰と絵画
(5月14日~6月19日)
 大和文華館所蔵の宗教絵画を展観。館蔵品中、先般マニ教絵画と新たに判明した六道図を軸に、各家所蔵のマニ教絵画を集約。日本に実は多数残っていた元代のマニ教絵画というジャンルが、ほぼ確立された。それらマニ教絵画の制作環境の比較のために、元代の寧波仏画も集めていて、贅沢な空間が作られる。そのうち個人蔵の宇宙図は、『大和文華』121号に記載の吉田豊論文をみると、国際マニ教学会でスライドを見せると会場が凍り付き、世界遺産級の資料だと賞賛された、とある。さらりと並んでいる一幅に世界宗教の本質へとつながる底知れない深まりを感じることができ、有益。図録は、マニ教絵画のみを集約したものがあり(16ページ、350円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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