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アンケート:博物館が役立ったことがありますか?

帝塚山大学2011年度博物館経営論アンケート10回目「博物館が役立ったことがありますか?」(6/27出題分・回答50音順)。

・新しい知識が身についた。
・今まで知らなかった知識や資料を知ることができたこと。以前、刀職人が作製した工芸品の展示を見たことがあったが、刀の構造や刀職人がどのような作品を作ったかがよくわかった。
・絵を描くときに、実際の姿がどうなっているのかを知るのに役に立った(動物園、一部美術館)。
・家族(特に父)との交流。忙しくてなかなか家に集まらない家族が、集まってでかける理由になる。
・教科書だけでは記憶に残らなかったが、実物を見て記憶に残ることができた。
・興味・知識が広がった。レポートなどの宿題の研究。
・詳しく知ることができた。
・県立博、人権的な博物館などが建つ場所(城や中心部が多い)で、その土地(町)の歴史的意義がわかる。
・実物が見られることと、説明を見て知識が増えること。
・授業でならった物が展示されていた時は、実物が見られて復習になった。
・授業内で写真でしか見られなかったものを、実際に見ることができたこと。
・知識が身についた。
・日常生活の中では知り得ない知識を得た。
・ネットや本などではムリな作品を「生」で見ることができる。
・博物館で歴史上の人物についての説明を読んだことで、それまでの人物観が変わり見方も変化した。
・文化財の実物をみて、自分の知識が高められたと思います。
・他の館の特別展の割引券が置いてあり、美術館・博物館と安い入場料で行けたこと。
・ミュージアムショップで買い物をした。
・役に立った博物館もあるが、役に立っていない博物館の方が多い。例えば展覧会を見に来る人が車イスの人だったらエレベーターに乗りたいが、博物館にいったらエレベーターがない、エスカレーターだけというところもある。巨大な博物館にはあるが、小さな博物館にはない。役に立っているのは歴史を守る博物館だけである。
・なし

 博物館を利用することで、「知ることができた」「興味が広がった」「見方が変わった」といった回答が多くありました。まさしく博物館の存在意義はそこにあるでしょう。
 博物館の存在意義とは何でしょうか。講義内容のおさらいをすると、 博物館は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を育成する」(教育基本法1章1条)にあたり、「すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高める」(社会教育法1章3条)ために、「国民の教育、学術及び文化の発展に寄与する」(博物館法1章1条)機関です。
 そして博物館は「娯楽と知識の根源であり、美術品、学術資料を保存し、公衆に展示することによって各種文化についての知識を普及し、諸国民間に相互理解を増進」する場所であり、また「人々が従来以上の余暇をもち、かかる余暇がすべての人の利益と文化的向上に利用されるべきであり、博物館はその恒久的な教育上の使命を遂行し、勤労者の文化的欲求を満足せしめるための社会的環境」です(ユネスコ「博物館をあらゆる人に開放する最も有効な方法に関する勧告」)。
 社会教育の目的は、本来抽象的なものです。人間はコンピューターではないですから、同じインプットで、人によって異なるアウトプットが生じ、100円で100円分の対価を得られるような交換の仕組みは成立しません(100円で100万円にもなりうる!)。あえて「役だったことがあるか」と問うた今回のアンケートでしたが、生涯に渡って終わることのない学習活動の傍らに、それをサポートし、自らを変えうる「知」や「美」や「驚」や「史」にアクセスできる博物館があり続けることの大事さ、貴重さを、改めて意識したいと思います。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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