増上寺・戦後初の一般公開 国指定重要文化財 増上寺 三解脱門
(9月17日~11月30日)
増上寺三解脱門上層に安置される、釈迦三尊及び十六羅漢像の一般公開。近年の調査で釈迦三尊のうち両脇侍の頭内に大仏師宗印・式部・弁蔵の名と過去者として宗貞の名が確認され、下御門仏師の作例と判明したもの(淺湫毅「増上寺三解脱門の釈迦三尊像および十六羅漢像について」(『学叢』30、2008)。
実見したところ、釈迦三尊の作風には宿院仏師からの連続性(及び下御門仏師としての特徴)が明確だが、十六羅漢像では断絶があり、耳の形も類似より相違が多く、釈迦三尊と十六羅漢の一具性についてはなお慎重な検討が必要と判断。三尊の台座は、例えば獅子が奈良県・竹林寺の宿院仏師源次・源四郎・源五郎・良紹作の獅子座(永禄4・1561)と類似し、当初のものとみてよさそう。ちなみに源四郎=宗貞、源五郎=宗印です。
『三縁山史』に釈迦三尊十六羅漢はもと長門国泰然寺にあったのが、壊れていたので、絵所法眼徳悦が彩色して寛永元年(1624)増上寺に安置したとある。三尊に元和10年(1624)の徳悦による彩色銘あり内容を裏付けるが、長門国泰然寺については全く不詳。制作年代、伝来については、さらに考察を深める必要あるが、宗貞没後であるなら17世紀初頭ごろ。
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