「蒔絵や螺鈿など数ある漆工芸の中から、中国を直ちに想起させる彫漆が偕楽園塗の技法に選ばれていることは、大変興味深い。このような偕楽園塗の制作に治宝の意向が大きく働いていたとすれば、それは治宝の中国趣味の一表象と捉えられるのではないか。」(小林2008、60頁)
小林祐子「紀州徳川家旧蔵「堆黒雲龍文合子」について」(『三井美術文化史論集』1、2008年3月)
玉稿、ご恵贈いただきました。ありがとうございます。数寄の殿様、徳川治宝の積極的な文化への取り組みと、中国趣味・王朝趣味という問題は、近世後期の文化史を考える上での多様な手がかりを提供する素材となりそうですね。私自身はなかなか踏み込む機会がなさそうで・・。
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