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展覧会・文化財を見てきました。(2011/10/1、大飛鳥展ほか)

奈良県立万葉文化館
・開館10周年記念特別展 大飛鳥展

(10月1日~11月13日)
 同館の10周年記念の展覧会で、飛鳥時代の仏像や文化財を多数集めるとともに、明日香村内の仏像・仏画を集める。主な出陳資料を列記すれば、堺市博観音菩薩立像、藤井斉成会有鄰館の貞観13年(639)銘仏坐像、白鶴美の金堂五尊板仏、向原寺の観音菩薩立像(かつて盗難被害を受け、昨年発見されたもので、頭部のみ飛鳥時代)、法隆寺の夢違観音、金堂木造天蓋天人像、日光月光像(六観音のうち)、正眼寺の誕生釈迦仏像、野中寺の弥勒菩薩半跏像、新出資料である川原寺十二神将像(平安前期)、橘寺日羅立像、聖徳太子絵伝、長安寺薬師堂の薬師如来坐像と四天王(平安後期)、岡寺仏涅槃像、仁王像等々。「飛鳥」をキーワードにした大仏教美術展で、壮観。明日香村内の仏教美術を集約して見る機会としても、とても貴重。再訪したい。図録あり(148ページ、2000円)。

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
・特別展 仏教伝来

(10月1日~11月20日)
 仏教伝来とその受容、展開の諸相を考古資料(特に軒丸瓦)を中心に展観。大和文華館の「庚□」銘金堂釈迦如来坐像のほか、セン仏(川原寺裏山遺跡出土、夏見廃寺出土、海会寺出土、加守廃寺出土、石光寺出土、小山廃寺)や塑像片、三重県・鳥居古墳出土の押出仏など。展示の最後に「現代と仏教」という章を設け、東大寺の活動をもって現代仏教を語る。その試みは尊いが、古代から現代へといきなり接続するのは唐突で、中世・近世・近代を通じて現代にいたる仏教の連続性を提示すれば「仏教伝来」の歴史的位置づけの大きさをより明確にできたのではとも思う。図録あり(100ページ、700円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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