醍醐寺(福知山市猪崎) 本務は休みの日だけれど、京丹後市史編纂のお仕事で、早朝から京丹後市入り。市内寺院の調査・撮影が終わって少し時間があったので、地道で福知山市に向かい、醍醐寺へ。
寺名の由来は、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔って建立したことによるもの。臨済宗南禅寺派。お目当ては本尊の薬師如来坐像。像内銘に「大日本国丹波国天田郡庵我庄/木塔山醍醐寺本尊薬師瑠/璃光如来 奉作元亀二年辛未/八月七日時住持比丘眼光恵透并本願/大学周文知蔵禅師於本寂巳後成就也」(像内前面)、「七条大仏師左京法印康秀子/同大夫法眼康正作」(像内背面)とあり、元亀二年(1571)七条仏師康正作と分かる。素地仕上げで唐様をベースとするやや生々しい作風は戦国時代らしいもので、後の康正の、自らの父祖の様式に昔帰りした鎌倉時代風の端正な作風はまだ見えない。その転換点は慶長年間、三十三間堂・東寺・醍醐寺の諸損像の修理に携わる中で得られたものだろう。
拝観後、福知山市役所に立ち寄って、『文化財が語る福知山の歴史』(平成9)と、市町村合併のあと今年春に跛行された『文化財が語る福知山の歴史 補遺版』を購入。2冊で割り引き価格6300円ナリ。収録資料にはかぶりなし。前書の概説は中野玄三氏、補遺版は井上一稔氏。勉強しよう。
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