田原市博物館・渡辺崋山のにせものを見る
(11月12日~12月25日)
「伝渡辺崋山」作の作品十数点を含む、約20点ほどの絵画・書簡から構成。「伝崋山」作品、確かに崋山の落款が入っているが真作とはいえない作品が並んでいて、巷間に数多い偽物・贋作をあえて展示室に並べる挑戦的な機会である。しかし、これら「にせもの」を何のために展示するのかという意図が表明されておらず、また作品解説がないため真贋の見極めの基準が明らかにされていないのは残念だった。難しいチャレンジなので、態度表明をしないというスタンスもあり得るが、「展示」という装置の可能性を広げるような、人間の真実を垣間見れるような前向きさが欲しかった(ないものねだりですいません)。「贋作」も歴史資料であり、その受容のあり方をたどる作業が重要で、「真作-贋作」を「善-悪」で切り取らないことが肝要だろう。図録なし。
西尾市岩瀬文庫 ・特別展 新・西尾市の文化財
(11月19日~1月15日)
合併後の西尾市所在の文化財の一部を展観。個人所蔵の地蔵菩薩半跏像は、承久年中に足利義氏が建立した長寿尼寺の元本尊像。鎌倉時代。法光寺地蔵菩薩半跏像は南北朝~室町時代の院派作例。養寿寺の絹本著色観音菩薩像は高麗仏画。海蔵寺の雲板は暦応2年(1339)銘あり。ほか古文書や工芸品などなど。図録あり(44頁、800円)。
知多市歴史民俗博物館の「大野谷の文化財展」も行きたかったが時間切れで断念。
スポンサーサイト
- http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/506-3d562c9b
トラックバック
コメントの投稿