観仏三昧的生活のこぼれ話とミュージアムや文化財に関するトピックス。
杉崎貴英「峰定寺釈迦如来像の研究史-像内納入品・宋風・慶派仏師・俊乗房重源・解脱房貞慶-」(『GENESIS』(京都造形芸術大学紀要)15、2011年10月)「それにしても、貞慶の関与が確実な造形文化のほとんどが歴史の渦中で滅失したことを思えば、(中略)その特色ある信仰体系と、在世中におけるその影響を証言する峰定寺像の意義は、誠に大きいといわねばならない。しかし研究史の回顧を終えて像と納入品を顧みれば、その内包する情報には未だ沈黙している部分が少なくなく、造立背景についても未だトータルに把握されていないことに改めて気づかされるのである。」(204ページ)
杉崎貴英「山城国賀茂荘東明寺・越中国雄神荘円満寺と賢昌房忍禅-京都府木津川市常念寺(東明寺旧蔵)仏涅槃図施入銘を出発点として-」(『富山史壇』164、2011年3月)「以上本稿では、従来知られなかった「越中国雄神荘円満寺」の名を記す常念寺仏涅槃図施入銘を出発点として、その旧所在である東明寺の中世における性格を検討し、さらに十五世紀の東明寺再興に尽くした僧忍禅の出身地たる円満寺に関し考察を試み、それが越中の西大寺末寺のうち従来ただ一つ故知未詳とされてきた円満寺に比定しうることを論じた。」(10ページ)
Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。
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