観仏三昧的生活のこぼれ話とミュージアムや文化財に関するトピックス。
山本殖生「熊野の補陀落渡海―水葬儀礼に着目して―」(谷川健一・三石学編『海の熊野』、森話社、2011年6月)「補陀落渡海の行儀には、渡海船の構造や葬送習俗など、水葬儀礼が確実に息づいている。そこには、日本人の葬送民俗の深層と、死と再生という死生観の根源的な問題が沈殿しているように思う。
熊野の補陀落渡海は、濃厚な海上他界観を基層文化にした、生に裏打ちされた「南方往生」の企てであり、後には水葬と化す常世の郷愁をかりたてる深奥への魂の回帰であった。」(101ページ)
Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。
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