観仏三昧的生活のこぼれ話とミュージアムや文化財に関するトピックス。
萩原哉・明珍素也「京都・三時知恩寺の善導大師像」(『武蔵野美術大学研究紀要』42、2012年3月)「このたびの保存修理により、本像は、文禄五年(一五九六)、大仏師大蔵卿法印の作であることが明らかとなり、また、制作当初の彩色と容貌をよみがえらせることになった。桃山時代の本格的な肖像彫刻である本像の存在は、今後、近世彫刻史および浄土宗美術史の分野において、重要作品として評価されることが期待されるだろう。」(14頁)
西岡芳文・向坂卓也「龍華寺本『三国祖師影』について-新たな中世写本の発見-」(『金澤文庫研究』328、2012年3月)「龍華寺本の著しい特徴は祖師それぞれに付された題記・讃銘にある。実物を詳細に見ると、文字の部分には油分を含んだ塗料が引かれてやや黄褐色に染められており、そこに他本には見られない濃厚な墨で肉太の文字を記入している。(中略)龍華寺本ではあたかも題字のごとく墨太に書いていることから、龍華寺本が原本の筆跡を最も忠実に模写しているものと見られる。」(34頁)
Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。
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