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玉稿拝受(「展示会およびその調査から展開する地域文化遺産の保護活動」)


「日本近代彫刻史において塩田行屋の仏像は、深海宗慶、明治時代の山形の仏像、宗慶が竹太郎に与えた影響、後年の竹太郎の造形、などを理解する手掛かりにもなろう。近年の研究においては、明治時代の彫刻は江戸時代から完全に断絶したものではなく、ある程度の連続性を持って捉えようとする傾向が強まっている。たとえば、江戸時代末期から続く仏師・人形師などを生業としたり修行したりした経験を持つ者が明治時代に彫刻家として多く活躍しており、江戸時代の立体造形が近代彫刻に影響を与えていることが指摘されている。こうした動向からも塩田行屋の仏像は貴重な文化財といえるだろう。」(執筆宮本、7-8頁)

「未指定文化財は、指定を受けていないものは文化財ではない、といった認識を受ける存在となっている。それは日本の文化財保護行政制度が生み出した弊害である。しかし、未指定文化財もまた紛れもない文化財であり、将来的に文化財の指定を受けていく予備軍であるとともに、地域の歴史・文化を伝える重要な遺物であることはいうまでもない。そのため、現在の文化財保護行政制度において保護の対象となっていない未指定の文化財に対しても、それらが健全な状態で保存維持していく活動が必要であり、文化財を保護していく役割を担う保存修復関係者は、指定を受けた文化財とともにその膨大な数の未指定文化財の保護に努める必要があると考える。」(執筆岡田、18頁)

岡田靖・宮本晶朗「展示会およびその調査から展開する地域文化遺産の保護活動-白鷹町塩田行屋の仏像(町指定文化財および新海宗慶・竹太郎作の明治期諸像)を事例として」(『東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター紀要』2、2012年3月)
ありがとうございました。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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