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アンケート:「ミュージアムは教育・学術・文化の発展にどのように寄与すべきか」

 帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第3回目のお題は、「ミュージアムは教育・学術・文化の発展にどのように寄与すべきか」です。
 講義では、博物館法の構造を知るために関連する法律を提示した上で、博物館は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を育成する(教育基本法1章1条)にあたり、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高める(社会教育法1章3条)ために、国民の教育、学術及び文化の発展に寄与する(博物館法1章1条)」機関である、という法的な位置づけをお伝えしました。「教育、学術及び文化の発展に寄与する」とはなかなか抽象的な目標なのですが、ためしに受講生のみなさんが抱いたイメージを聞いてみました。回答の50音順に示します。

・以前のものを見せて発展に寄与してきたと思うので、これからはどの方向に対しても対面できるようにするべきであると思う。(古いものだけでなく新しいものなどなんでも見られるようにする、という意かな?)
・今のミュージアムは、地域とのコミュニケーションが希薄だと思います。ここを補えばもっともっと中身のある充実したミュージアムになると思いますし、博学連携の運動も盛んになり、日本の教育レベルもあがるのではないでしょうか。
かたよった考えにとらわれずに、真実のみを伝えて、安定した教育や文化の学びの場にするべきだと思う。
・学校等で学んだことを確認するための場であるべきだと思います。さらに新しい知識を得るために博物館は必要だと感じます。
・学校と協力し、自分の住む地域の事を知ってもらうようにする。
・学校や図書館に資料を貸し出してみる。
・講演会などを開く。
・古典のようなものと草分け的なものとして寄与すると思う。人間の営為の証明として文化財や資料を広く展示することが必要だし、新たな文化を形成するためにお手本のような存在であると思う。専門者でない観覧者に対しては、智を深めるためのものだから、情報の発信源として寄与するべきだと思う。
・自分たちが学習をしていく中で、必要な情報をいつでも身近に得られることのできる場所であるべきなのでは、と思います。博物館(ミュージアム)に足を運べば、今自分が知りたかった情報を得られるような、そんな場所であって欲しいです。
・視覚や触覚などで理解を深めていくようにする。
・しっかりと学べるような環境を与える。
・小中高では遠足があり、その中で博物館を見学して知識を得る事ができると思うが、社会人になると興味があっても行けない人が増えてくる。理由として遠い、忙しいとかがある。そこで、全国とはいかないまでも、公民館などの施設を借りて、小さな規模でも出張展示みたいなものをして寄与していくといいと思う。
情報を公開したり、資料を保護することの中心となり、学力以外の知識を与えられる存在になるべき。
・例えば学校で縄文時代について習うことがあると思いますが、それを分かりやすく伝えるのに復元された縄文時代の家などは、博物館に行ったときに目で見て分かるのでいいと思います。
・展示される品を通じて、昔にあった出来事や知識を学び、自らの教養とすることを手伝う。
展示物に興味のない人には興味を持つ入り口に、興味のある人には知識を深める場所に、専門の人には新たな発見を得られる部屋に…というように、様々な人々の発展に寄与できればいいと考える。
・展示物を増やして行くことかと思います。
・博物館のことが興味ない人たちに興味を持ってもらえるように、学校や施設に赴いて講演したりするサービス。来場してくれるように工夫する。
・ミュージアムは、教育的には補助教材的に、学術的には先端の「元」となるように、文化的には魅せるものとして寄与するべきだと思う。
・理解しやすく興味が湧くような説明をし、かつミュージアムに来た人が興味だけでなく、考えを持てる場所にするべきだと思う。

 「展示物に興味のない人には興味を持つ入り口に、興味のある人には知識を深める場所に、専門の人には新たな発見を得られる部屋に」「人間の営為の証明として文化財や資料を広く展示する」「かたよった考えにとらわれずに、真実のみを伝えて、安定した教育や文化の学びの場にするべき」「必要な情報をいつでも身近に得られることのできる場所であるべき」「学術的には先端の「元」となるように」「ミュージアムに来た人が興味だけでなく、考えを持てる場所にする」など、よいフレーズをたくさん示してくれました。
 ミュージアムは、余暇を過ごすレクリエーションの場であるとともに、知がストックされ、そして発信される場です。「博物館行き」ならぬ「博物館発」の情報が生き生きと発信され、さまざまな人の知的好奇心を喚起する中で、「教育、学術及び文化の発展に寄与する」タネも生まれてくるのでしょう。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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