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展覧会・文化財を見てきました(會津八一記念館、東博他、皇學館大学神道博物館)

5月11日
早稲田大学會津八一記念博物館
・特集展示 館仏三昧-早稲田仏像コレクション-
(4月11日~6月12日)
 館蔵品の會津八一が集めた仏像、富岡重憲コレクション、 森靖コレクションの仏像を紹介する「観仏三昧」ならぬ「館仏三昧」展。近年寄贈された森靖コレクション中の観音菩薩三十三応化身像(6躯)に注目。像高35センチほどで、頭部が大きいプロポーション、眼のつり上がった宋風の風貌、なで肩でずんぐりとした砲弾のような体型、鋭く立体的な衣紋や袖がゆったりと大きい衣の表現が特徴的で、うち1躯の頭部内面に至徳元年(1384)銘と「大和朝春」の名がある。旧所在地は不明ながら、宋風(唐様)の顕著な本群像の制作年代が判明する点が貴重。ほか、富岡コレクションの菩薩立像(11c)は谷崎潤一郎、志賀直哉の元所蔵資料。図録あり(18ページ・200円)。

東京国立博物館
・ボストン美術館 日本美術の至宝
(3月20日~6月10日)
 ボストン美術館所蔵の日本美術コレクションを展観。法華堂根本曼荼羅や平安仏画など仏画の優品が目白押しで嘆息するが、来館者も多くじっくり見ることもかなわないので、贅沢にチラ見。本地仏を描く熊野曼荼羅図(鎌倉)をしっかり見ておく。愛染明王(神蔵本地仏)が上部中央に、那智滝と千手が上部右に、阿弥陀・薬師・千手が雛壇下部に配される構図。金剛童子が並ぶ下部に如来立像があるのはなんだろうか…。仏像では快慶作の弥勒菩薩立像、康俊の僧形八幡神像をじっくり確認。絵巻も諦めて肩越しにチラ見。巡回先でまた見る機会を作りたいところ。会期中展示替えなしはありがたい。図録あり(282ページ、2300円)。

・特集陳列 平成二十四年新指定国宝・重要文化財
(4月28日~5月13日)
 新指定国宝・重文のうち、2件を除くすべてを展示。彫刻の大作は彫刻室で分離展示。和歌山では金剛峯寺の執金剛神・深沙大将立像が、執金剛神像銘記から快慶作と判明したことで指定され、うち深沙大将像が独立ケース内で展示。矧ぎ目の部分的な遊離や鎹の錆による浮き上がりなども目立つ。ほか、箱根神社の男女神像(平安時代)、海門寺の千手観音坐像(保元3年)、与喜天満神社の天神坐像(正元元年)、弥勒寺弥勒仏坐像(平安時代)、文化庁の天王立像(平安時代)など、じっくり鑑賞。彫刻の指定は、新出や既知のもの、仏像・肖像・動物彫刻など尊種もさまざまで充実。清浄華院の阿弥陀三尊像も、国宝で納得。

東京藝術大学大学美術館
・近代洋画の開拓者 高橋由一
(4月28日~6月24日)
 東博資料館、東文研閲覧室で資料集めをして、時間が少しあったので芸大美術館に飛び込む。高橋由一の画業の全体像が一目に見られ、有益。鮭図3点の展示空間がかっこいい。

・芸大コレクション展 春の名品選
(4月5日~6月24日)
芸大コレクションがずらり。修復された浄瑠璃寺吉祥天厨子絵をじっくり鑑賞。この厨子絵について記したリーフレット(A3二つ折り)も研究資料として有益で、掲載されている四天王の修理前の彩色の遊離状況を示す写真は衝撃的。修理しないと絶対に動かしたくないレベル。

5月12日
皇學館大学佐川記念神道博物館
・特別展 神社名宝展-参り・祈り・奉る-
(4月29日~5月26日)
 大学創立130周年・再興50周年の記念展として、全国大社の宝物を各数点ずつと(第1部)、神社境内図・参詣曼荼羅(第2部)を展示。展示作品数は全66件。主なものとして、太宰府天満宮(重文・梅月蒔絵文台)・住吉大社(重文・住吉松葉大記)・松尾大社(重文・男神坐像)・石清水八幡宮(重文・類従国史)・八坂神社(重文・太政官符)・大神神社(三輪山縁起)・春日大社(春日権現験記絵<岡田為恭模写>)・熱田神宮(重文・日本書紀)・真清田神社(重文・舞楽面天童)・多度大社(重文・多度鏡)のほか神宮(伊勢神宮)の資料。神社境内図では若宮御祭礼絵巻物(春日大社)、熱田神宮古絵図、祇園社絵図、松尾神社絵図、三輪山絵図、参詣曼荼羅では富士浅間曼荼羅図、多度参詣曼荼羅図、熱田神宮古絵図等を展示。1部・2部では内容に連続性はなく、展示全体で明確なストーリーを提示するものではないが、諸社の絵図類が一堂に集まる貴重な機会。なんといっても、神道系大学で神像(松尾大社所蔵)が展示されていることの画期的な意味を強調したい。図録あり(230ページ・3000円)。ほかに全資料の図版掲載した無料のリーフレット(22ページ)も。鑑賞後は内宮参拝し、おかげ横町を散策して、外宮に参拝。式年遷宮の準備が着々と進む。
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5月11日早稲田大学會津八一記念博物館・特集展示 館仏三昧-早稲田仏像コレクション-(4月11日~6月12日) 館蔵品の會津八一が集めた仏像、富岡重憲コレクション、 森靖コレクションの仏像を紹介する「観仏三昧」ならぬ「館仏三昧」展。近年寄贈された森靖コレクシ?...

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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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