帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第5回目。「あらゆる人が博物館を利用しやすくするにはどうすればよいか」です。回答の50音順に示します。
・案内役を置いたり、展示物を増やす。
・外国人の方にもわかりやすいように英訳などをつける。わかりやすく詳しい宣伝をする。
・交通の便をよくして行きやすくしたり、ハンズオン展示を多く取り入れて
年齢関係なく楽しんで博物館を利用できるようにする。また来たいと思えるようにすることが大事だと思います。
・子どもからお年寄りまでが興味をもてるような展覧会を開く。
・従業員の態度や対応姿勢の改善。
・常設展だけでも無料にするなど、入館料に関して工夫すると利用しやすくなるかと思います。
・
できる限り中立中道にモノを説明することが一番だと思う。いくら無料にしても考えが左右に傾いていると、どちらかに反応して来ない人がでると思う。
・展覧会などを知らせる広報を大げさに書いてみる、とか。
・図書館のように無料開放を行い、展示物もインターネットで詳しく公開する。また学芸員による見学ツアーを頻繁に行う。
・内部の展示に関するハンズオン展示を屋外で行い、堅苦しく思う部分を取り除く。
・入館者数の少ない博物館を淘汰し、入館者数の多いところを入場料無料にすれば良いと思う。
・入館料金を下げる。
・博物館という形を解体してみるといいと思います。移動図書館のように移動できるようにしてみたり(公民館で開催できるようにする等)、あるいは博物館同士が連携してより大きなハコで開催するなど。私たちは博物館の中身を求めているから博物館に行くけど、あらゆる人がその中身を求めてはいません。博物館が日常に攻めていくという姿勢が必要だと思います。
・博物館に足を運びやすい環境を作ることだと思います。ただ入館料を安くしたり無料にするだけでは、博物館を利用しやすくできないと思います。
その博物館が持つ良い点(資料が豊富、など)をアピールし、ここに来るとこんな知識が得られるぞ、といったことを知らせるのも一つの手段かな、と思います。
・
バリアフリー化。高齢者の方や車倚子の方も博物館を利用しやすくなると思います。
・バリアフリー化。外国人向けに英語・中国語・韓国語の翻訳を設けるようにする。
・バリアフリー化は当然のこととして、その他、子ども向けの説明パネルを用意したりし、
博物館に行きづらい、とっつきにくいという意識をなくす工夫をする。
・美術への関心が高まるように世論をリードする。
・文化に触れる、美しいものに触れるという事がいかにすばらしい事かをPRする力が博物館に求められていると思います。チラシをお洒落に作るなど、一般の人にもとっつきやすい宣伝を。
・まず教育からの改善。来館者の意識の問題。又、無料であれば利用者が増えるのは当然のことかと。
・無料で鑑賞できる日を設ける。
・ユネスコの勧告を呼んで、こんなに根本的なすばらしいことを示してくれているのに、
博物館に行かないのはもったいないことだと思いました。やはり観覧料無料は大事ですが、博物館側も熱意あふれる広報に力を入れるべきではないでしょうか。その分、理解も深まり、行ってみようかなと腰を上げてくれる人も増えると思います。
・
利用料金を無料にすることや、みんなが楽しめることが大切。
ユネスコ(UNESCO・国連教育科学文化機関)の「博物館をあらゆる人に開放する最も有効な方法に関する勧告」を読んだので、難しいだろうなあと思いながら、このお題をだしてみました。
この勧告は「勤労者」の博物館利用の奨励がうたわれています。そこには、さまざまな情報に自らアクセスし、知ることで不当な搾取や支配から逃れることが意図されているのではという私の解釈を伝え、その知のアクセスの場として博物館が重要であるがゆえに、経済的・社会的地位などに左右されず利用できる必要があることをお話しました。無料入館の回答が多いのは、こうした文脈に基づくものと思います。
あらゆる人が博物館を利用しやすくするためには、あらゆる人に「開かれる」博物館であることが必要だと思います。難しいことですが、理想は高らかに!
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