
5月21日、紀三井寺境内の新仏殿に安置された像高12mの千手観音立像の開眼供養が行われ、それに伴って秘仏本尊も数十年ぶりに御開帳されました。一日お休みを取って、ワクワクしながら拝観。本堂後方に接続する収蔵庫には、本尊千手観音立像(10c後半、重要文化財)及びこれも本尊の十一面観音立像(10c初、重要文化財)が安置され、少し遠かったものの初めての拝観に心がトキメキました。収蔵庫内には梵天立像(10?11c、重要文化財)、帝釈天立像(10?11c、重要文化財)、十一面観音立像(11?12c、重要文化財)、毘沙門天立像(11?12c)も安置。今回は一日だけの御開帳ですが、今年10月10日?20日にも、花山法皇の御遠忌事業として、御開帳される予定です。
今回の御開帳には、私のほかに和歌山大学の先生や学生さんなどとともに訪れ、本尊拝観だけでなく、紀三井寺参詣曼荼羅に描かれた中世的景観を現地踏査する機会としました。周辺寺院の仏像も拝観させてもらい、寺外にある吉祥水(紀三井寺の三つの井戸のうち一つ)を見て、紀三井寺が建つ山である、名草山を登山。

山頂から、和歌浦を望み、万葉集にも読まれた和歌浦・名草山の地理的環境を体感してきました。信仰の場としての紀三井寺の成立を考える上で、この和歌浦の歴史は当然重要な意味があります。紀三井寺周辺の宗教文化をきちんと調べてみたいと、新たな好奇心が生まれた一日となりました。
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観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―
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